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肝炎ウイルス保持者の介護では血液と分泌物に触れないように!

別名「沈黙の臓器」だけに注意が必要
 肝炎とは、その名の通り肝臓の炎症で、ウイルスなどの感染が主な原因です。肝臓は別名「沈黙の臓器」とも呼ばれているほどで、ウイルスに感染すると自覚症状がないままに慢性化したり、発症すると重症化したりしやすいのが特徴。感染したことすら自覚しないままに治ってしまうことや、急性肝炎で終わる時もありますが、軽視は禁物です。肝硬変や肝臓がんなどにかかってしまいますと、病状の進行の早さから、発見した時には既に手遅れ…ということにもなりかねません。そのため、定期的に検査を受け、早期発見・早期治療が鉄則と言われています。

肝炎の中でも特にB型とC型に注意
 肝炎にはA型~G型、TTV型があります。A型やE型は経口感染で感染を防ぐ手立てもいろいろありますが、主に血液を媒介として感染するB型とC型が厄介です。皮膚が健康な状態であれば血液が皮膚に付いたくらいで感染することはありません。しかし、傷があったりあかぎれがあったりする場合には、例えそれが小さな傷でも、そこからウイルスが体内に侵入し、感染する恐れがあります。

厄介な理由がもう一つ。感染する危険性が高い場合は、B型であればあらかじめワクチン接種を行って予防することができるのですが、C型には予防する術がありません。もちろん、自分で「もしかして感染したかも…」と疑われるような時は、すぐに医師の判断を仰ぐようにしてください。

肝炎ウイルスに感染しないために
 肝炎になる一番の原因がウイルス感染である以上、感染しないように予防することが大切です。ウイルス保持者を介護する際には、血液はもちろん、だ液や分泌物などが直接、肌に触れないようにするのが大前提です。また、ウイルスがあると思われる日用品などは、消毒するのが基本です。以下、主なポイントをいくつか挙げますので、そのポイントに気を付て介護にあたると良いでしょう。

ゴム手袋の着用
傷口はもちろん、指先のささくれなどからもウイルス侵入の可能性があるため、ゴム手袋の着用は必須。洗浄・消毒すれば何度でも使用可能です。

カミソリ、電気カミソリの使用
血液が感染源になることが多いため、なるべくなら電気カミソリを使用するのが良いでしょう。要介護者が嫌がる場合は、専用にするか、使い捨てのものを使用しましょう。

食器や洗面器の消毒
使用後はすぐに流水や洗剤を使って洗浄し、その後に消毒剤を使って消毒を。食器の場合は加熱消毒でもOKです。

ふとんの消毒
洗濯機などで洗うことが難しい大型のものは、消毒剤をスプレーするなどして対応しましょう。

おむつの消毒
なるべく紙おむつを使用し、その都度、廃棄するのが望ましいですね。布おむつであれば、排泄物を処理した後に消毒剤に浸してから洗濯、さらに高熱の乾燥機にかけるなど消毒を徹底しましょう。また、おむつ交換の際には必ずゴム手袋の着用を忘れないでください。



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