「できるない」と「やらない」は違う
下半身マヒがある方は、感覚障害を伴っているためそのままにしているとすぐに床ずれができてしまいます。床ずれを防止するには、寝返りをすることが必須ですが、下半身が動かないから寝返りなんてできないと諦めてしまいがちです。
しかし、下半身がマヒしていても上半身を動かることができれば寝返りはできます。
できないからやらないのではなく、できなくてもできることをしましょう。
寝返り介助をするとき~下半身マヒのある方編~
前々回マヒのない方編、前回片マヒのある方編をご紹介しましたが、今回は下半身マヒのある方編をご紹介します。
下半身にマヒのある方は、3つの動作のうち「1.膝を立てる」ができません。しかし、上半身を動かすことができるので、「2.両手を上げる」と「3.肩・頭を上げる」の動作をアレンジして自ら寝返りをしてみましょう。
膝を立てられない片マヒの場合、腕を振ってその反動を使うと寝返りをすることができます。
1.両手を組み、寝返りをしたい方向の反対側に振り上げます。
2.振り上げた両手を寝返りたい方向に振り下ろします。
1.のポイントは、腕だけではなく上半身全てを使って振り上げると反動がつきやすくなります。
2.のポイントは、腕を振り下ろすと同時に、頭を浮かせておきましょう。そうすることで上半身がねじれやすくなり、上半身がねじれた反動で、腰や足も寝返りをしたい方向に向けることができます。
下半身マヒのある方への介助方法
要介護者が腕を振る前に、寝返りをしたい方の足首の上にもう片方の足首を組むよう乗せます。
こうしておくことで、体が回転しやすくなします。
次に、要介護者が腕を振り下ろしたタイミングに合わせて腰を引きます。あくまでも、介助なので思いっきり引きよせるのではなく、要介護者の力が足りていない分を補う感じにしましょう。