介護施設のスタッフだったり要介護者の家族だったりする場合の入浴介助方法は、要介護者が入浴するサポートをするのがメインのため、要介護者とは別に入浴するケースがほとんどでしょう。
しかし、老老介護で介護する方も高齢者だった場合、毎日別々に入浴するのは時間もかかりますし何かと大変です。そんな時は夫婦一緒に入浴することをおススメします。
妻が要介護者、夫が介助者の例をご紹介します。
<夫婦一緒に入る>
(1)
夫は妻の背中を支えながら、妻の足を片方ずつ浴槽に入れます。
(2)
浴槽の底に妻の足がきちんとつき、前かがみの姿勢で安定していることを確認したら、妻の背中を支えながら夫自身も浴槽に入ります。
(3)
夫が浴槽の壁側(妻の後ろ)に立ち妻のお尻を両手で挟み込み、洗い台から湯船の中へと誘導します。この時妻に前かがみの姿勢を取ってもらいます。
(4)
夫はゆっくりとかがみ妻には自分の膝の上に椅子に座るような体勢を取ってもらいます。
(5)
妻を膝に乗せたまま、両手を浴槽に置き体を安定させながら水の浮力を使い沈みます。
最終的に夫は、立ち膝又は正座をしている体勢になります。
支えていれば妻を膝の上から浴槽の床に移動しても良いでしょう。
<夫婦一緒に出る>
(1)
妻に前かがみの姿勢を取ってもらいながら、夫の膝の上にお尻を乗せます。
(2)
妻を膝の上に乗せたままゆっくりと立ち上がります。水の浮力を利用すると良いでしょう。
この時、夫は両手を浴槽のふちに置き力を入れます。
(3)
妻のお尻を両手で挟み込み洗い台に腰掛けられるようにします。
(4)
妻の背中を支えながら片方ずつ浴槽から外へ出します。
浴室の床に妻の両足がきちんとついているか確認します。妻に前かがみになってもらい、身体を安定させたら夫も浴槽から出ます。
夫婦のコミュニケーションの場に…
長年一緒に暮らしていると会話もなくなりただの同居人のような関係になりがちです。
しかし、一緒にお風呂に入ることで夫婦のコミュニケーションを取ることができるのです。
スキンシップを取ることで安心感や信頼感を感じとり合いましょう。