多職種連携とチームアプローチで、最も重要と考えられる一つは、チーム内の意思統一と調整です。チームに所属するメンバーは、個々別々の知識、技術、情報を持ち、同じ職種であっても経験や職歴等によって、千差万別といっても良い状態であると言っても良いでしょう。
それが、多職種となれば、さらに職種ごとの知識、技術だけでなく、専門用語の違い(方言)や職能ごとの決まりごと(ローカルルール)があるもので、意思統一と調整といっても、そう簡単に行える事ではないと容易に想像が出来るでしょう。
多職種連携とチームアプローチのために、意思統一と調整はとても重要な事でありますが、それに手間取っていては、肝腎の利用者へのサービス、支援の提供が疎かになり、ケアマネジメントの目的達成が遠ざかってしまいます。
チーム内の意思統一と調整を図るには、まず、メンバー間の方言を理解し共通言語化することからはじめる必要が、メンバー構成によっては必要となるかも知れません。多職種であるが故の手間とは言えますが、はじめに違いを理解して、さらに共通言語化すればチームの意思統一や調整だけでなく、他のチームやチームアプローチでも活用する事が出来る可能性もあり、ケアマネジメントの効率化にもつながると考えられます。
チームアプローチのためだけではありませんが、「報・連・相(ほうれんそう)」を上手に使うことで、チーム内の意思統一や調整、コミュニケーションが円滑に行われるようになると考えられます。報連相は、チームの誰に対しても小まめに行うと言うことではありません。チームメンバーのそれぞれの役割、職務、立場、知識、職能などを見分けて、3種類の方法を上手に使いながらコミュニケーションを図って行く事が大切です。
報連相を旨く使う事が出来るようになれば、チーム内の意思統一や調整がスムーズに行われるようになり、自分にとって必要な情報を適宜得る事が出来るようになり、利用者へのより良いサービス、支援の提供が行えるようになります。