社会資源としての訪問介護サービスにおける介護職員の役割

訪問介護サービスに従事する介護職員は、介護サービスケアマネジメントの訪問介護サービス計画に基づいてサービス利用者の自宅へ出向いて介護サービスを提供します。この介護サービスケアマネジメントは、介護保険制度のケアマネジメントに入れ子となっていると考えられ、ケアマネジメントの「介護サービス、支援の実施」の過程に包含されます。

訪問介護サービスだけでなく、ケアマネジメントによってケアプランに従った介護サービス、支援の実施主体となる介護サービス事業者は、いずれも介護サービスケアマネジメントを行うことで、ケアマネジメントの過程に包含され、社会資源の一つとしてフォーマルサービスの提供、支援を行います。

ケアマネジメントが対象とする社会資源には、フォーマルサービスだけでなくインフォーマルサービスも対象としています。そして、ケアマネジメントは、支援の対象となる方のニーズに対して、社会資源を活用してニーズの達成、解消を目指します。ケアマネジメントは、社会資源同士の連携や協働をはかる事を目指すことも活動の一つとなっていますが、実際には難しいという状況があります。

訪問介護サービスは、自宅に定期的に訪問して生活支援や身体介護のサービスを提供、支援します。訪問介護サービスには、掃除、洗濯、調理などの家事行為を行ったり、入浴、排泄、食事、移動などの介護を行うというサービス提供を行う事が基本とされています。しかし、訪問介護サービスの介護職員には、訪問介護の専門職として、利用者が能力に応じた自立した生活を営めるようにするために、生活支援や身体介護の方法や考え方などを協働して伝えて行くという役割が、ケアマネジメントによって求められる場合があります。

訪問介護サービスを提供する介護職員は、訪問介護事業所の職員として介護サービス、支援を提供するだけでなく、ケアマネジメントにおける社会資源として、ケアマネジメントの目的を達成するために、他の社会資源と連携、協働などすることによって、利用者が能力に応じて自立した生活が営めるようにサービス提供や支援のために活動するという役割が求められます。