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健康を保つためには口腔ケアが第一。正しいケアの方法を知ろう

歯周病菌が心臓病の原因に!?
 口の中は微生物の温床。というのも、口内は常時37℃前後に保たれており、適度に湿り気を帯びているため、微生物にとってこの上なく良い環境だからです。と同時に、食べる時も呼吸する時も口が使われるため、食道や気管を通って体内に微生物が入り込みやすくなっています。そのため、口内のケアをおろそかにすると虫歯や歯周病になるだけでなく、内臓疾患を引き起こす危険性もあるのです。

代表的な例が肺炎です。口内の微生物が気管支や肺へと入り込むことで炎症を起こすだけでなく、嚥下(えんげ)障がいのある人では、微生物を含んだだ液や食べ物が、誤嚥(ごえん)によって誤嚥性肺炎を引き起こすのです。

また、口内の歯周病菌が血液によって運ばれて血管や心臓に達しますと、狭心症や心筋梗塞の原因になるとも考えられています。動脈硬化状態の血管から歯周病菌が見つかることもあり、さらには歯周病の症状が重い人の方が、歯周病菌が心臓の血管にまで達している割合が多いという報告があるほどです。そう考えますと、口腔ケアは虫歯や歯周病を防ぐだけでなく、身体にとって健康の源とも言えるのです。

「毎日、歯を磨いていれば十分」と言えう人もいるでしょう。しかし、実はそれだけのケアでは不十分です。口の中と言えっても歯や歯ぐき、舌などで複雑な構造をしているため、それぞれの部位において適切な口腔ケアをすることが大切です。

口腔ケアの6つの手順
 複雑な構造をしている口の中ですが、万全のケアを行うためには、6つの箇所を順序立てて、適切な道具を使い、適切な口腔ケアをすることが大切です。それでは、それぞれの箇所について、使う道具とケアの仕方を見ていきましょう。

(1)口腔前庭部
口腔前庭部とは、くちびる、そして歯と歯ぐきの間のこと。ここでは粘膜に微生物が付きやすいですので、粘膜をケアする器具として、紙やプラスティックでできた持ち手の先にスポンジの付いたスポンジブラシを使用。ぐるぐると回しながら、汚れを拭うようにして使います。乾いたまま使うと粘膜を傷つける危険性があるため、少し湿らせ、水分が落下しないように搾った状態で使用すると良いでしょう。スポンジブラシがない場合は、市販の綿棒でも代用が可能です。

 (2)歯間部
その名の通り、歯と歯の間。また歯と歯ぐきの間を指します。その間は非常に狭くなっているため、専用の歯間ブラシを使いますと、効果的にケアできます。

 (3)歯の表面
歯の表面に付いた微生物は、ブラシでサッとこすると落とすことができます。市販の一般的な歯ブラシでOKです。

 (4)
舌の表面には、舌苔(ぜったい)という汚れが付いています。これをキレイにするためには、舌ブラシと呼ばれる器具を使用します。プラスティックの板状、やわらかいブラシの付いたものなど、形状は様々ですが、どの器具を使うにしても力の入れすぎには注意して、舌の奥の方から手前に向けてかき出すようにして使います。

 (5)口蓋(こうがい)
口蓋と呼ばれる上あごの表面にも、微生物はたくさん付いています。粘膜で覆われているため、(1)の口腔前庭部と同様に、粘膜を傷つけないようにスポンジブラシや綿棒などを使って、ぐるぐると回しながら汚れを拭っていきます。

 (6)軟口蓋
口蓋の奥の方にある、 “のどちんこ”のあたりです。口腔前庭部や口蓋と同様、粘膜で覆われているため、粘膜を傷つけないようにスポンジブラシや綿棒などを使って汚れを拭いましょう 。

 



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