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-軽度認知障害-認知症の早期発見・早期治療のために期待されている軽度認知障害の有症率は11~17%

軽度認知障害(MCI)は、認知機能の正常な状態と認知症との境界領域にある認知障害の状態で、認知症の前駆状態であると考えられている概念です。MCIは、本人や家族から物忘れなどの訴えがあるものの認知症の診断基準を満たさず、日常生活にも大きな影響を及ぼしておらず、日常生活能力は自立している状態にあるとされています。

≪MCIの定義≫

①本人や家族より物忘れの訴えがある

②加齢の影響だけでは説明できない記憶障害の存在

③日常生活能力は自立

④全般的な認知機能は正常

⑤認知症は認めない

≪MCIの分類≫(Petersen,et al.,2004,改訂版)

Ⅰ.amnestic MCI single domain

⇒記憶障害のみを認めるもので、AD、うつ病に移行する症例が多い

Ⅱ.amnestic MCI multiple domain

⇒記憶障害に加えて他の認知領域の障害を認めるもので、AD、脳血管性認知症、うつ病に移行する症例が多い

Ⅲ.non-amnestic MCI single domain

⇒記憶障害以外の認知領域の障害のうち1項目に限定されるもので、FTDに移行する症例が多い

Ⅳ.non-amnestic MCI multiple domain

⇒記憶障害以外の認知領域の障害のうち複数の項目で障害を認めるもので、レビー小体認知症と脳血管性認知症に移行する症例が多い

MCIの有症率は、11~17%とされており、厚生労働省の推計では、2012年時点でMCI高齢者は約380万人と推計されています。MCIと診断された患者は、その後1年間で10~15%が、4年では約50%がアルツハイマー病に進行したとされています。同世代の健常者のアルツハイマー病の発症率は、年間1~2%とされており、MCIの高齢者が必ずしも認知症になるとは限らないとされていますが、MCIは明らかにアルツハイマー病予備軍であることが考えられます。

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