むくみ(浮腫)は、細胞と細胞の間にある水分の組織間液が異常に増加してしまい、身体の水分が部分的もしくは全身で過剰になってしまった状態をいいます。ヒトの身体(体重)の約60%は水分で、そのうちの2/3(体重の約40%)は細胞の中にある細胞内液で、残りの1/3(体重の約10%)が細胞の外にある細胞外液となります。細胞外液のうち1/4(体重の約5%)が血管の中を流れている血漿水で、残りの3/4(体重の
15%)が細胞と細胞の間にある組織間液となります。
むくみは、毛細血管の血圧が上昇したり、血管内に水分を保持する働きをする血漿タンパク(アルブミン)の濃度が低下したり、毛細血管がタンパク質や水分を通しやすくなったりした場合などに、血漿浸透圧のバランスが崩れてしまうことで、毛細血管中の水分が血管外に出やすくなり、組織間液が毛細血管中に入りにくくなってしまうことが原因となります。
組織間液は毛細血管内に入るだけでなく、リンパ管に流れ込んで行きます。組織間液が過剰になってしまっても、リンパ管の機能が対応することが出来れば、むくみが生じても一時的であったり、むくみが見られないこともあります。リンパ管の機能が、組織間液の過剰に対して対応が出来ない場合には、むくみが慢性的になると考えられます。
むくみによって体重が増加したり(3~4日で10kgの増加をすることもある)、朝起きると顔が腫れた感じがしたり、夕方になると足がむくんで靴や靴下などが窮屈に感じるなどの症状が見られます。むくんでいると思われる部分、たとえば脛の部分などを10秒以上強く指で押しつけて見て、へこみが出来ればむくみ(浮腫)が生じていると考えることが出来ます。
むくみの原因となる疾病には、ネフローゼ症候群、腎不全、心不全、糖尿病、膠原病、肝硬変や薬剤性のものなどがあります。むくみが重症となった場合には、全身にむくみ(浮腫)が見られることになり、その時には手足や腹部だけでなく、目に見えない内臓にもむくみ(浮腫)が生じている可能性もあることに注意が必要です。
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