足白癬の予防は、家庭内の足白癬、爪白癬患者の治療が最優先となります。スリッパ、サンダルや足ふきマットの共用は禁止です。家庭内に足白癬、爪白癬の感染者がいない場合は、持ち込まないことが一番となります。
皮膚糸状菌が皮膚内に侵入し、感染が成立するまでには、最低24時間かかるとされています。足の皮膚に創傷などがある場合には、12時間で感染が成立するという報告があります。健康な皮膚表面に皮膚糸状菌が付着しても、24時間以内に足をきれいに洗えば、感染を防ぐことが可能となると考えられます。皮膚を洗うときには、ゴシゴシ洗いすぎて皮膚に傷を付けてしまうと、皮膚糸状菌の感染の危険性が高くなると考えられます。
出来るだけ靴・靴下をはかないように心がけたり、通気性のある靴や靴下を選ぶことや、会社ではサンダル履きが、可能であれば好ましいと考えられます。靴は2~3足用意して、毎日同じ靴を履かないようにして、長時間靴をはき続ける場合は、時々脱いで風を通すようにして、長時間靴を履き続けることで、靴の中の温度・湿度を皮膚糸状菌が好む環境にしないようにすることが必要となります。
足白癬・爪白癬の感染者がいる家庭には、垢や爪に包まれて、菌は家庭内のあちこちに存在すると考えなくてはなりません。中でも皆で共用するもの、例えばトイレのスリッパ、バスマットなどに存在しますので要注意で、タオルやマットなどは洗濯し、洗濯できないものは濡れた雑巾で水拭きして、しっかりと乾燥させることが必要となります。畳の対策としては、掃除機をかけ編目に付着した垢を水拭きなどで取り去り、風通しをよくして乾燥させることが重要です。
皮膚糸状菌は、髪の毛や垢、爪の切片に付着して家具の下や階段、部屋の隅っこなど、ほこりやゴミがたまりやすいところにもいます。皮膚糸状菌は垢と一緒だと1年以上生き続け、切った爪の中では半年以上も生き続けることが可能とされているので、部屋の隅々まで頻回・丁寧に掃除することが必要です。
他人の家にむやみに上がらないことも大切で、他人の家に上った場合は、家に帰ったらすぐに、足を洗って十分に乾燥させる事で、家庭内に白癬菌を持ち込むことを防ぐことが出来ると考えられます。
≪予防法≫
①足を清潔にする
②足を良く乾燥させる
③複数の靴をローテートする
④家庭内に持ち込まない
⑤家族間での感染を防ぐ
≪対処法≫
①こまめな掃除、毎日の靴をローテートしたり、靴下の履き替えすることや、外出後の足の清浄と乾燥、五本指ソックスなど、生活環境の見直しと改善を行う
②皮膚科で白癬の診断を受けて、適切な治療を治癒と判断されるまで行う
③乾燥・清潔に心がけて、お風呂では石鹸で十分に洗体する。ゴシゴシ洗わない
④木綿・麻・絹製品など、汗を吸い取る肌着や風通しの良い靴下を着用する
⑥衣類の洗濯は、付着した皮膚糸状菌は洗い流されるので、一緒で構わないが十分に洗うようにする
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