トップ > お役立ち情報TOP > 介護職員初任者研修 > 加齢によるこころの変化には老化と熟成があると言えます

加齢によるこころの変化には老化と熟成があると言えます

≪加齢(aging)≫によるこころの変化には、どのようなものがあるかを考えて見ると、≪aging≫には、≪加齢≫という意味だけでなく、【老化】と【熟成】という意味もあります。

≪加齢≫によるこころの変化には、agingの意味に含まれる【老化】と【熟成】という結果が、それぞれに見られると考えられます。【老化】と【熟成】とを比べると、【老化】は加齢のマイナスの結果、【熟成】はプラスの結果を示していると考えられます。

たとえば、ある人の「歳を取って性格が円くなった」という、こころの変化について考えて見ると、加齢による人生経験が豊富になり、他人との関係や他人の行動を肯定的、受容的に捉えるようになって、昔の性格と比較して穏やかな性格なったと判断される事があります。これは、ある人の変化を熟成というプラスの結果として、判断したものであると言えます。

一方で、加齢によって情動にともなう動作や反応が低下したり、他人との関係や他人の行動にかかわりを持つことが億劫になっただけで、昔の性格とはさほど差は見られないと判断される事もあります。これは、ある人の変化を老化というマイナスの結果として、判断したものであると言えます。

ある人の「歳を取って性格が円くなった」というこころの変化は、かかわる(判断する)人によって、【老化】と【熟成】という相反する判断が為されることになり、事実による判断であり、本人の心根を知り得た上での判断では無いと考えられます。

ある人の加齢によるこころの変化の真実を知るには、や、現時点での生活習慣、生活環境や本人の能力など、言語・非言語コミュニケーションで示される情報を受け止めることが必要となります。

高齢者の加齢によるこころの変化を知るためには、本人とのコミュニケーションを図り、その人の生活歴、職歴、社会性、人生観、社会観、死生観を知ることが必要であります。そして、生活歴の中にある喪失体験や重大な判断、決定を迫られた場面での行動様式と結果などに加えて、その時々の生活環境、生活習慣、心身の状況を、言語・非言語コミュニケーションで示された情報を受け止めることによって知ることが必要となります。さらに、高齢者の現時点での、生活環境、生活習慣、心身の状況や近傍で起きた大きな出来事などについて知ることが必要であると考えられます。



お読み頂いた記事は参考になりましたか?より有益な情報は会員限定のメルマガで無料配信しております。
矢印まずはメールアドレスを入力して会員登録してください。


関連記事
認知症のBPSDのために行われる薬物治療の進め方とポイントとなる薬物治療検討のための4つの条件
認知症の治療は薬物治療を検討する前に認知症ケアやリハビリテーションの介入をまず考慮
認知症の鑑別診断で中心となるのは神経心理検査による診断で画像診断は補助的診断
認知症高齢者のいのちを保つため認知症の進行を抑止するためには心地好い口腔ケアが必要?
認知症高齢者の活動性低下を防ぐにはフレイルティ・サイクルを断ち切るのが一番?
認知症高齢者の低栄養の原因は認知症のために美味しく・楽しく・心地好く食事が出来なくなること?
-便秘-認知症の高齢者の便秘予防や対策に特に必要と考えられる4つの配慮
-脱水-高齢者が脱水症になりやすいのは若年者に比べると体内の水分量が不足して脱水になってるから?
-軽度認知障害-認知症の早期発見・早期治療のために期待されている軽度認知障害の有症率は11~17%
-特発性正常圧水頭症-原因疾患が特定出来ない60歳以上の高齢者に起きる正常圧水頭症

Facebookをされている方は以下より「いいね!」して頂ければ、定期的に情報を配信致します。