自分自身の日常生活、日常生活習慣を知ることは、何気なく過ごしている毎日を見つめ直す事になります。生き物としてのヒトは太陽の動きに合わせて、朝になり太陽が昇ると目覚めて食事を摂り、食事を摂ることで午前中の活力と夜の眠りの準備を始めます。昼になって食事を摂って、短時間の午睡を取って眠気と活力を取り戻し、夜になり日も暮れてくると、食事を摂ってゆったりとした気分になり、眠りに入るという1日が、生き物としてサーカディアンリズムに沿ったヒトの基本的な暮らし方と考えられます。
文明の進化、社会の多様化によって、ひとはヒトとしての暮らし方が難しくなって来ています。介護職も職務によっては、不規則勤務となったり夜勤があったりと、本来のヒトとしての暮らし方が出来ない場合があります。職務によるだけでなく、日常生活はひとりひとりが、自分自身の生活環境の中で自由裁量で営むことができるものですから、生き物としてのヒトとは全く異なった生活習慣を取ることも可能となっています。
自分自身の起床時刻、食事の回数、就労時間、休息時間、余暇の時間、運動の時間、就寝時間、睡眠時間などの行動や活動、日常生活習慣としてどのように繰り返されているかを知る事は、健康管理にはとても大切な事だと考えられます。
ひとの健康は、ヒトとして必要とされる基本的な睡眠、摂食行動が得られているか、そのために必要となる環境が得られているかが重要なポイントとなります。自分自身の日常生活習慣とヒトとして求められる日常生活との違いを知って、どのようにして差を無くして行くか、差を無くすことが難しいか、難しければ埋め合わせることが出来るかなどを考える事は、自分自身にとって健康とはどのようなもので、どのようにして守って行くことが出来るかを考えることになります。
自分自身の日常生活、日常生活習慣を知る事は、他者の日常生活、日常生活習慣を知る事の手助けともなります。介護職として、介護ケアの利用者の日常生活、日常生活習慣を知ることは、介護ケアのサービス・支援には当然のものであります。自分自身の日常生活を知った上で利用者の生活を知る事は、自分自身の日常生活がヒトとしての日常生活との違いを知っている事で、利用者の日常生活もどのように違っているかを知る事の手助けとなり、利用者に添った介護ケアのサービス・支援の提供につながると考えられます。