ノロウイルスの症状を理解する重要性
毎年、冬になるとノロウイルスの感染者の数が急増します。高齢者の介護をするものとしては、高齢者にとってノロウイルスが危険な存在であることは理解しているのですが、それでは実際にノロウイルスに感染した場合に、どういった症状になるのかはあまり実感がわきませんよね。ふつうの風邪の症状とノロウイルスによる症状は一見同じに見えますから、しっかりと症状に関する知識をもっておくことが大切になります。
ノロウイルスに感染した場合の症状
ノロウイルスは感染から24時間から48時間程度で発症します。おもな症状は、「下痢、腹痛、吐き気、嘔吐、軽い発熱」です。風邪やインフルエンザの症状と比較すると、吐き気や嘔吐の症状が強くあらわれるようです。風邪のような症状の場合であっても、吐き気や嘔吐を伴う場合には、ノロウイルスの感染を疑ったほうがよいでしょう。健康な人が感染した場合、症状は1日から2日前後で治まります。しかし、身体の弱い高齢者が感染した場合には、嘔吐による脱水症状を引き起こしたり、嘔吐物による窒息などの危険性が強まります。
感染の疑いあれば、すぐ病院
脱水症状や窒息によって、命が危険になるケースは多々あります。高齢者のノロウイルスへの感染が疑われる場合には、ためらうことなく、病院で診察を受けてください。市販の吐き気止めの薬や下痢止め薬を服用することは悪影響になる可能性があります。すぐに病院へ行くことを忘れないでください。ノロウイルスの特効薬があるわけではありませんが、病院での治療を受けることによって、体力を維持しながら病気の回復を待つことができます。ノロウイルスの感染者数は毎年10月ごろから爆発的に増加します。冬の時期、高齢者の吐き気や嘔吐には充分にお気をつけください。みなさまの早い発見が高齢者の命を救うことになります。