高齢者にとってノロウイルスの予防は重要
高齢者を介護する家庭や施設にとって、ノロウイルスを予防することは重要な課題です。健康な人が感染した場合は、発症しないときや、軽い風邪のような症状で済むときがあります。しかし、身体が弱っている高齢者が感染した場合には、命を失う危険性もありますので、高齢者が暮らす環境ではノロウイルスへの充分な対策をしなければなりません。今回は、ノロウイルスへの予防方法をみなさまにご紹介します。
食品への感染を予防する方法
前回ご紹介したとおり、「食品取扱者を介してノロウイルスに汚染された食品を食べることによる感染」が近年増加しつつあります。食品に触れる人にノロウイルスが感染しているかどうかを確認する方法はありませんので、とてもやっかいな問題なのです。わたしたちができる対策は、できるかぎり食品への汚染を防ぐことと、食品を充分に加熱することです。食品に触れる場合は、洗浄ブラシを使うなどして、しっかりと手洗いをすることが求められます。まな板や包丁などの消毒では、塩素系の漂白剤を使用すると効果的です。さらに、風邪のような症状があるときには、念のため、調理の担当から外れることも大切なことです。食品を加熱する場合には、85度以上で1分以上の加熱を行うと、ノロウイルスの感染性がなくなると言われています。
糞便や嘔吐物の処理方法
感染者の糞便や嘔吐物を処理するときには、手袋やマスク、使い捨てエプロンなどを用意したうえで処理をしてください。処理に使用した道具はビニール袋に密封してから捨ててください。糞便や嘔吐物をふき取ったあとは、塩素系の漂白剤で消毒したあとに水拭きをします。水拭きだけでは、ノロウイルスがそのまま残存し、二次感染の原因になりますので、必ず消毒を行ってください。念には念を入れて、しっかりと対策をしてほしいと思います。