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介護職員の職業病と言える腰痛は介護職員の50~60%が苦しんでいます

介護職員に最も多い健康障害は腰痛となっており、介護職員の50~60%は腰痛に罹患していると言われています。厚生労働省が「職場における腰痛予防対策指針」というガイドラインが定めていますが、重量物を取り扱う作業を行わせる場合の取扱い重量について、成人男性は体重の40%以下、女性は男性の60%位という指針を定めていますが、実際の介護現場では「介護ケアは人の手で行うもの」という考え方が支配的で、ガイドラインがあっても実効性が乏しいものとなっています。

欧米では重量物を取り扱う作業となる移乗介助は、利用者への介護事故や介護者の腰痛のリスクが最も高い作業と認知されており、介護機器の導入が進んでいます。介護機器の導入によって、介護事故や介護職員の腰痛の防止だけでなく、介護職員の腰痛による休職や退職、それに伴う交代要員の補充などが低減されることが確認されています。

介護機器の導入は、その場の作業効率を上げることでは無く、介護職員の負担を軽減することによって、長期的な展望に立った上での、介護の質を維持し続けるための有効な対策のひとつと考えられます。

身体の痛みは他人にはわかりにくいもので、痛みを感じる部位の痛みの原因となる症状が軽減しても、身体が痛みを感じ続けたり、ストレスで突然痛みが現れたり、体調によって痛みの強さが変わるなど、痛みに苦しんでいる自身にしかわからない辛い疾患であります。

腰痛が原因となって、精神的にイライラしたり、余裕がなくなったり、自分のことで精一杯になるという、心身共に不調な状態となれば、介護職員として質の高い介護ケアどころか、仕事を行う事も困難になってしまいます。介護職員の職業病と言える腰痛への対策は、介護職員のQOLを高めることで、介護ケアの質の維持・向上も得られる事になります。

<参考>

腰痛の起こらない介護現場の実現のために/大阪府立公衆衛生研究所

http://www.iph.pref.osaka.jp/report/tokuyou/tokuyou2.pdf



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