介護保険制度は「高齢者を社会で支える」ことを理念としています。介護保険制度にかかわる国、地方自治体、介護サービス事業者、介護サービス従事者は、「高齢者を社会で支える」という理念に基づく社会的責任を負う事になります。
「高齢者など住み慣れた地域で、その能力に応じた自立した日常生活を過ごす」という目的は、社会的責任を果たすための目標と言うことが出来ます。
介護保険制度を定めた国や保険者である地方自治体は、介護保険制度の維持と運用についての社会的責任を果たそうとしているように思えますが、「高齢者などが住み慣れた地域でその能力に応じた自立した日常生活を過ごす」という目標を果たすための取り組みが適切に行われるとは思えません。
介護保険制度になることで、介護サービスは利用者と介護サービス事業者との契約によって、介護ケアのサービス・支援の提供が行われていますが、介護サービス事業者が社会的責任を果たしているかについては、事業者ごとの差が大きいと言わざるを得ません。高い社会的責任を果たしている事業者は、社会貢献的責任レベルを達成していますが、その一方で法的責任レベルすら果たそうとしない事業者がある状況となっています。
介護職は、介護サービス事業者に所属していながら、介護サービス事業者や国、地方自治体がどのようなレベルにあったとしても、介護の専門職として倫理的責任や社会貢献的責任レベルを達成することが求められています。
介護職は、介護の専門職として倫理的責任を達成するために、「介護福祉士倫理基準(行動規範)」が参考にする必要があると思われます。さらに、介護ケアのサービス・支援の提供を行うことが、社会貢献的責任の達成への実践になります。介護職が社会貢献的責任を達成するためには、介護の知識、技能、態度の専門性の向上だけでなくチームケア、協働のための専門性の向上を取り組みも行う必要があります。
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