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介護職が日常業務で扱うものはプライバシーの塊と言えます

訪問介護サービスで介護職が介護サービス・支援の提供を行う事は、利用者のプライバシーを知る事になります。利用者と面接という形を必ずしもとらなくても、介護サービス・支援の提供を行いながら、利用者との心身の状況、生活環境、生活習慣を会話を通して知るだけでなく、視る、聴く、触れるなどの五感によって、利用者のプライバシーを知ることになります。

介護職は、利用者と全人的にかかわり合いながら介護ケアの提供を行ってゆく事になり、それはまた利用者のプライバシーを隅から隅まで知る事にもつながります。利用者が自ら明らかにしなければ、他人には知られることの無いプライバシーを、介護職は介護ケアの提供によって容易に知ってしまうことになります。

プライバシーを知り扱うのは、利用者と介護サービス・支援の提供場面だけでなく、訪問後の記録作成はプライバシーをさらに個人情報にすることになります。また、利用者との連絡やケアチームとの連絡、事業所内での職員同士の連絡などでの会話、通話、メモ、事例記録など、プライバシーにかかわることが飛び交ったり、デスクの上に無造作に置かれてしまう事が普通に起きてしまいます。

長く介護職の仕事をすればするほどに、日常の仕事を行っている中で、どうしても利用者のプライバシーについて、慎重な配慮が必要だという感覚が鈍磨、鈍くなってしまう事があります。そのような時には、いったいどれだけの人の「他人が知ることがありえない秘密」を仕事とは言え知り得てしまったかという事を、それまでの利用者の顔を思い浮かべながら、人数を数えて見る事が必要だと思います。

どれだけ多くの人々の秘密を知り得てしまったのか、知ってしまったのか、延べにしたらとんでもない数になると思います。そして、記録やメモ、会話、通話などの方法や、取り扱いについて振り返ってみる事が大切なことだと思います。

介護保険制度が始まることで、介護はサービスと言われるようになりましたが、介護サービス事業者には守秘義務が介護保険法に基づいて課せられています。このことは介護サービス事業者が、利用者のプライバシー、他人に知られることの無い秘密を業務の上で知り得てしまう事に対する守秘義務という、大きな社会的責任を負っています。

介護職は、利用者のプライバシー、他人に知られることの無い秘密を、介護サービス・支援を行う上で知り得てしまう事で、守秘義務に縛られるという社会的責任を負います。守秘義務という社会的責任の大きさ、個人の秘密を数多く知り得てしまうことへの恐ろしさを、折に触れて確かめるようにして下さい。

省エネ、省資源と言うことが当たり前になって、資源の再利用が奨められていますが、個人情報が記されるメモは、裏紙を使ったりする事は、メモの面が裏になってしまえば、ゴミと思って棄ててしまったり、扱いがぞんざいになって紛れ込んだりすることもあり望ましくありません。また、書き損じた記録や不要となった個人情報が記された書類は裏が使えるとメモにしたりするなどせずに、かならずシュレッダーで廃棄することを心がけましょう。

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