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介護職は利用者と家族と協働してサービス・支援の提供を行います

介護ケアの主体である利用者は、様々な人生経験や欲求段階にある介護職にとっては、分かり難い客体でありますが、介護ケアのサービス・支援の提供を行ってゆく上では、利用者の心身の状態だけではなく、人生経験や知識、技能などを知る事が、利用者の主体的な介護ケアのサービス・支援の提供を得る事につながり、自律した日常生活を過ごす事になると考えられます。

介護ケアに少なからず影響を及ぼすのが家族という存在で、利用者が主体となって介護ケアの提供を得る事に理解を持ち、ケアマネジメントに協力的でキーパーソンを担える家族が在ることは、利用者はもちろん介護ケアのケアチームにとっても心強い存在となります。

介護ケアが必要となった利用者に対して、多くの家族は利用者が求める介護を積極的に行う事で、少しでも心身の状態の安定と負担を軽減しようと思います。家族の利用者に対する思いが、時には利用者のモチベーションを下げたり、「やれること」がやれなくなったり、「やっていること」をやらなくなったりしてしまい、ADLやIADLが下がってしまうことが起きてしまいます。

介護職は、介護の専門家として利用者の心身の状態やADL、IADLの状態を知りつつ、ケアチームのメンバーの協働を得ながら、家族が利用者のためと思って行っている行為が、利用者の自立を阻害している事を、介護予防、重度化防止という観点から、わかりやすく根拠に基づいて説明をすることが求められます。

介護職は、利用者に対して家族と同様の生活支援や、身体介護のサービス・支援を提供してゆく事になります。家族とは異なる介護の専門職としての距離感を持ちながら、介護ケアのサービス・支援の提供を行い、家族からの協働を得る事も、利用者への介護予防、重度化防止などを図る手立てとなります。

介護職が行う介護ケアのサービス・支援は、利用者だけでなく家族への支援もその職務の中には入っており、介護ケアについての方法や取り組み方だけでなく、家族の介護ケアに対する負担、重圧、焦燥、緊張などを知り共感を示したり、状況に応じて疲労の解消の手立てを講じるための対応も必要となります。

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