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介護事故はいつでもどこでも起きるものです

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表1:介護事故の発生場所と発生時間帯
出典:鹿児島市の介護サービス事故発生状況報告(まとめ)
   http://www.city.kagoshima.lg.jp/var/rev0/0061/1090/201351413511.pdf

介護事故は「いつ起きる」か、表1によると鹿児島市では、9:00~12:00が最も多く、次に12:00~15:00となっています。日常生活の行動時間帯に合わせて日中をピークに山型の分布をしています。

日中の時間帯は、利用者も活動すると同時に介護ケアを行う職員も多く活動している事になり、目と手が多くなるにもかかわらず、介護事故が多くなるというのは介護ケアの体制の問題が少なからずあるという事が考えられます。目と手があっても身体が動かなければ役には立ちませんので、目と手とを増やすだけで無く、より良い介護ケアを行う取り組みや体制作りが必要です。

夜間の時間帯にも介護事故は発生しています。日中に比べると少なくはなっていますが、人間の活動(量)を考えると夜間の事故件数は多いと考えられます。21:00~24:00、0:00~3:00が最も少なく、3:00~6:00に増加するというのは、高齢者の特徴的な睡眠パターンや睡眠中断・中途覚醒などによるものと言えます。

介護事故が「どこで起きる」か、最も多いのが居室・病室で、次はホール・リビングとなっています。人間の日常生活で多く過ごす場所、事故への対策、配慮は十分に行われているはずの場所で、介護事故は多く発生しています。

介護事故がどこで起きるかだけでなく、「どこでいつ起きる」かについては、施設・居住系サービスや通所サービス、短期入所サービスでの発生がほとんどなので、施設の日課と利用者の日常生活行動に沿うように事故が起きていると考えられます。

居室・病室では、就寝時間中の発生が多くなっており、夜間の時間帯に発生する介護事故のほとんどを占めています。日中は施設の日課等に参加するために不在となり件数が減りますが、それでも少なからず事故は起きていて時間帯によっては事故の約30%が居室・病室で起きている事には注意が必要です。

介護事故はいつ起きる・・・24時間いつでも起きる。

介護事故はどこで起きる・・・ひとが沢山いるところ、ひとが独りのところで起きる

介護事故はいつどこで起きる・・・ひとりひとりの行動に沿うように起きる

介護事故は起きるものですが、利用者ひとりひとりの心身の状態だけでなく、日常生活の行動を知る事によって、個別性を尊重した利用者に添う介護ケアを目指す事が、介護事故の予防につながるものと思われます。



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