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介護事故の結果は骨折が最も多く見られます

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表1:介護事故の原因と結果として生じた傷病について
出典:鹿児島市の介護サービス事故発生状況報告(まとめ)
   http://www.city.kagoshima.lg.jp/var/rev0/0061/1090/201351413511.pdf

高齢者の介護に最も影響のある転倒・骨折が、表1によると鹿児島市では介護事故の30%を占めています。他の原因を含めた骨折は約44%と半分に近い割合を占めています。転倒による結果が異常なしと診断された割合が10%という低い割合となっています。転倒は高齢者の心身の状況を考えると、転倒することは何らかのけがに必ずつながると言うことを知っておかなくてはなりません。

転落も転倒ほどではありませんが、転倒と同様に何らかのけがに必ずつながる介護事故の原因と言えます。転落の原因は、鹿児島市の報告書では、ベッドや車いすからの転落が主なものとなっています。介護機器を使用しているとは言っても、高齢者の心身の状態と動作・行為によっては転落による介護事故が生じて、なんらかのけがにつながるリスクはあるという事を忘れてはいけません。

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表2:死亡事故の事故種別
出典:介護事故報告(福岡市)
   http://www.city.fukuoka.lg.jp/hofuku/sesakusuishin/life/jikohoukoku.html

介護事故の結果として死亡に至った件数は、表2の福岡市介護事故報告によると30件弱で推移しています。その中で50%前後を占めるのが誤嚥となっています。高齢者の誤嚥は、加齢に伴う生理的老化によって不顕性誤嚥が多く見られるようになるだけでなく、食事中の食べ物などを気管に詰まらせたり、気管支に入り込んでしまう顕性誤嚥も多く見られるようになります。

介護ケアのケアチームのスタッフがいながらも、死亡事故に至ってしまう誤嚥による介護事故が起こることは、高齢者の心身の状態を常に知りながら、適切な介護ケアにおけるチームケアを行う事の難しさがあると言えます。

万一誤嚥が生じてしまい、処置が終わり誤嚥物が取り除かれたとしても、その後、対象者の身体状況が急変する可能性もあり、可能な処置と同時に主治医への連絡と判断を受けることが必要です。介護事故が生じた場合に適切な「報連相」が必要であることも忘れてはなりません。

介護事故を起こさないことが第一ですが、介護事故は起きるもので、その中でも避けなければならないのは、最悪の転帰となる死亡事故です。介護職員として介護ケアのサービス・支援を提供する仕事を行ってゆく中で、多くの死とかかわりを持つことになりますが、ひとつ間違えれば死亡という結果につながる介護事故、もしくはヒヤリハットする場面に立つことを知っておく必要があります。

介護専門職として、介護ケアの現場には多くの介護事故の原因となるリスクがある事を知り、リスクの発見、対応、解消についての取り組みを、ケアチームの全員で知恵と力を出し合って行くことが必要です。



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