会話は聞き役になりながら、話を促すようにしましょう
認知症になると会話をしなくなります。でも、会話は脳を活性化させるリハビリにもなりますし、話をすることで気持ちも明るくなり日常生活も維持しやすくなります。認知症の人には積極的に話しかけるようにしましょう。
ゆっくり・わかりやすく・ひとつづつ が会話の基本です
認知症の人は早口の会話や複数の事象を一度に理解することが難しくなります。でもこれは特別なことではなく、健康な人にとっても程度の差はあっても同じことが言えます。
会話をするときは「ゆっくり」「わかりやすく」「ひとつづつ」を心がけましょう。たとえば「外出先から帰ったら、手を洗って、うがいをして、上着をハンガーに掛けておいてください」と伝えたとします。このひと言のなかに「外出から戻る」「手を洗う」「うがいをする」「上着をハンガーに掛ける」という4つの内容が入っています。これでは混乱してしまうかもしれません。
「外から戻ってきたのですね」「手が汚れましたね」「手を洗いましょうか」「ノドも痛くなると辛いですね」「うがいもしましょうね」「上着を脱ぎましょう」「ハンガーにかえてくださいね」などのように、ひとつひとつを区切って会話にしてみましょう。
認知症の人の話しに耳を傾ける姿勢が基本です
認知症になったからといって、何もかもがわからなくなるわけではありません。表現の仕方がうまくできないために、無感情だと思われがちですが、初期の段階では、楽しい、悲しい、辛い、嫌だ、嬉しいなどの感情は健康な人と同じです。
接し方の基本はプライドを傷つけないように、あなたと同じ個人であることを忘れないことです。そしてまずは相手の言葉に耳を傾けましょう。
・事実とは異なることを言っても、否定しないこと(逆らわない)
・会話中に感情的になる場合は、話題・場面をかえ、関心をそらせる
・認識が自分と異なっても、まずは、認知症の方の認識に合わせる
・間違っていることを諭そうとしたり、説得しないこと
・行動や言動が予想できる場合は、失敗しないような状況(環境)をつくる
・子どもを叱るような態度で、「ダメじゃない!」「いけません!」と叱らない