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介護者家族向け(9)認知症の人が自立できる日常生活の工夫

 認知症の人が自分らしく生活するために
 認知症になった、何もかも自由にできなくなる。介護者に頼りっきりになる、というのでは活き活きと、プライドを持って生きることはできません。もちろん症状が進行すれば出来なくなることは出て来ます。安全を確保するために介護者が手をかけることは必要になってきますが、本人が出来る状態にあるうちは、できるだけ工夫や安全対策などを講じながら自立した生活を維持できるようにしましょう。

 食事の工夫
 認知症の人にとって食事は楽しみのひとつです。ですが箸が使いにくくなったり、食器が持ちにくくなった場合は、フォークやスプーンでも食べられるように、調理方法を工夫しましょう。具をたっぷりと入れたスープや一口大のおにぎりなどもおすすめです。食事を食べ終えるまでに時間がかかっても、家族といっしょに食卓に着き、自分で食べるということが大切なのです。

 トイレの工夫
 認知症になるとトイレの位置がわからなくなる場合があります。また間に合わずに失禁してしまうことも増えます。認知症の人にとって失禁など、トイレの失敗は自信を失う大きな原因になります。
たとえば、認知症の人が日常過ごしている部屋から、トイレまでの順路を矢印で示すように張り紙をするとか、「私がトイレに行きたいのですが、いっしょに行きませんか」と定期的に声をかけるなど、工夫してみましょう。症状が進んできたら、パンツ型のおむつなど、衛生用品を利用することもおすすめです。

 入浴の工夫
 認知症になるとお風呂が何をする場所かが曖昧になり、入浴を拒否するケースも多いようです。また、入浴中に自分の持ち物が無くなると妄想して、拒否する人もいます。無理矢理に入浴させるのではなく、「お風呂上がりにビールでも飲もう」とか「疲れがとれるからいっしょに入ろう」などと、入浴の楽しさを伝え、促すようにしましょう。入浴は身体を清潔に保つだけでなく、リラックス効果もありますので、健康上の問題がないかぎりは続けるようにしましょう。



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