家族が認知症になったとき、介護する家族がもっとも不安になることは「いままでの生活が変わる」ことです。介護に割かれる時間の負担や費用の負担など、さまざまな不安に囚われます。そのなかの費用の負担は、日常生活の質の安定にも直結する重要な問題です。少しでも家族だけでかかえこまずに介護を続けられるように、公的な支援は利用するようにしましょう。
介護保険の申請
介護を継続するには、費用がかかります。介護保険を申請することをおすすめします。介護保険は通常は65歳から、認知症の場合は40歳から利用できます。市区町村の介護保険担当に連絡をして申請をしましょう。家族が申請できない場合は、ケアマネージャー、かかりつけ医師、介護保険事業者に代行してもらえます。
介護にかかる費用は?
介護申請をし、認定調査などが行われたのち、要介護(1〜5)、要支援、非該当(自立)といった認定結果がでます。それによって、利用できるサービスを選ぶことになります。
介護保険のサービスを利用した場合、在宅介護か施設介護のどちらを選択するかによっても費用が異なります。
介護サービスにかかる費用は、原則としてサービス費用の1割を利用者が負担します。また施設でのサービスを利用した場合は、1割の自己負担の他に、食費、滞在費、日常生活費などが自己負担となります。
・在宅介護の場合
たとえば在宅介護サービスを利用する場合、介護の程度が低く、介護サービスの利用頻度が少なければ費用も少なくて済みます。介護の程度が高くなり、介護サービスの利用頻度が高くなれば、費用はかさみます。また日中に介護する家族が在宅する必要があったり、介護サービスを利用しない日は家族だけで介護をすることになります。そのため家族には肉体的、時間的な負担が増えることになります。
・施設介護の場合
一方、施設介護を利用する場合は、家族の時間的、肉体的負担は軽減されますが、施設の利用料金などの負担は在宅介護に比べて高額になるケースが多いようです。
それぞれにメリットデメリットがあることを理解し、自分の家族に最適な介護スタイルを見つけることが大切です。