障害者総合支援法で利用可能な障害福祉サービスには、介護給付、訓練等給付、補装具費支給制度、自立支援医療制度と、各市町村が行う地域生活支援事業によるサービスなどがあります。障害福祉サービスのうち、訓練等給付と地域生活支援事業について、主な給付や支援の概略を説明します。
≪訓練等給付≫
◆自立訓練には、身体障害者等に対して、理学療法や作業療法などのリハビリテーションや生活に関する相談・助言などを通所、入所、訪問の方法で行い、身体機能の維持・向上を図る≪自立訓練(機能訓練)≫と、知的障害者・精神障害者に対して、日常生活に必要な訓練、相談・助言を通所、入所、訪問の方法で行い、生活能力の維持向上を図る≪自律訓練(生活訓練)≫があります。
◆就労移行支援は、就労を希望する65歳未満の障害者で、通常の事業所に雇用されることが見込まれる方に、就労に必要な知識・能力の向上のために必要な訓練などの支援が行われます。
◆就労継続支援には、一般企業等への就労が困難な65歳未満の方に対して、雇用契約に基づく就労の機会の提供や就労への知識・能力の向上のために必要な訓練などを行う、≪就労継続支援A型≫と、一般企業等への就労が就労移行支援事業等の利用では雇用に結びつかなかった方や年齢により困難な方に対して、就労の機会を提供して、知識・能力の向上のために必要な訓練などを行う≪就労継続支援B型≫があります。
◆共同生活援助(グループホーム)は、夜間や休日に共同生活を行う住居で、入浴、排泄、食事などの介助や相談・支援などの生活上の援助が行われます。
≪地域相談支援給付≫
◆地域移行支援は、障害者支援施設や精神科病院などに入所・入院している障害者に対して、住居の確保や地域生活に移行するための相談、外出支援、障害福祉サービスの体験利用支援などが行われます。
◆地域定着支援は、障害者支援施設や精神科病院などから退所・退院して地域生活を始めたばかりの障害者や、地域生活が不安定な障害者などに対して、緊急に支援が必要な場合に、緊急訪問や相談などの支援が行える体制が整えられることで「見守り」支援が行われます。
≪地域生活支援事業≫
◆相談支援事業は、障害者(児)やその保護者・介護者等からの相談に応じ、必要な情報提供が行われます。
◆コミュニケーション事業(意思疎通支援事業)は、聴覚、言語機能、音声機能、視覚その他の障害のため、意思疎通に支障がある方を支援するために、手話通釈者や点訳、代筆、代読を行う支援者の派遣が行われます。
◆移動支援事業は、屋外での移動が困難な障害者(児)に対して、外出のための支援が行われます。
◆地域活動支援センターは、創作的活動や生産活動の機会を提供し、社会との交流の促進等を行うことを目的とする施設です。
◆日常生活用具給付等事業は、重度障害のある障害者(児)に対して、自立生活支援用具等の日常生活用具の給付または貸与が行われます。
<図1>参考・障害者自立支援法の障害福祉サービス(出典:障害者総合支援法の概要/横浜市)
※障害福祉サービス名は、自治体によって名称が異なる場合があります。