ICFは、国はICFの「視点」や「理念」を活用するようにと盛んに言い続けていますが、具体的に介護サービスのために、だれでも簡単にコード化が行えて、ケアマネジメントに役立つようなICFの特別編集版を作ることはせず、研修や講演で話をするばかりで、具体的な活用の仕方が見えてきません。
ICFは、分類を目的にしていますが、コード化された結果には、評価点がありこの評価点には、各要素ごとに問題の程度が示されています。
心身機能
第一評価点:機能障害の程度や大きさ
身体構造
第一評価点:構造障害の程度や大きさ
第二評価点:構造障害の性質
第三評価点:構造障害の部位
活動と参加
第一評価点:実行状況(現況)
第二評価点:能力(支援なし)
第三評価点:能力(支援あり)
第四評価点:実行状況(支援あり)
※第三、第四評価点の評価は任意評価点とされている
環境因子
第一評価点:促進因子(+)、阻害因子(.)の区分と程度
どんなにICFの視点や理念と言われても、モデル図(ICFの構成要素間の相互作用の図)を見せられても、それぞれの要素のコードが持つ意味、評価点を知り、実際にコード化を行ってみなければわかり得ないと思います。
ICFは、分類であると言われます。一般的に分類というと大きなカテゴリーの中にはめ込むことを考えますが、ICFは、分類をしながら評価を行い、コード化された結果の中に評価点がある事が、ただの分類とは違うところだと言えます。
特に、活動と参加の要素の評価点には、実行状況や能力の評価が行われており、これらの評価点を評価したり比較、検討することは、利用者の理解やサービスの提供、支援に参考となるだけでなく、ケアマネジメント全体に有効な作業だと考えられます。
介護職員は、利用者に最も身近な存在となる介護専門職者であります。ICFは、利用者のあらゆる健康に関した生活機能や社会制度、社会資源などについて、評価を行うことが可能となっています。ICFを積極的に活用することで、介護サービスケアマネジメントにおけるアセスメント課題を、ICFのコードにした上でモデル図へ載せて検討、検証されれば、利用者の理解やサービス、支援の提供、評価についての参考になります。ICFがチームケアのメンバー間の共通言語として広がれば、利用者やサービス、支援についての共通理解が図れると考えられます。