ICF(International Classification of Functioning, Disagilty and Health)は、ICIDH(International Classification of Impairments, Disabilities and Handicaps)の改訂版です。ICFは「国際生活機能分類」、ICIDHは「WHO国際障害分類」という日本語の表題になっています。
ICIDHは、ICD(International Classification of Diseases:国際疾病分類)の補助分類として、1980年に発表され、2001年にICIDHの改訂版として、ICFがWHO総会で採択された世界標準の分類です。ICFは人間のあらゆる健康に関した情報を分類して記述・表現したものとなっています。
ICFは、ICIDHが行った障害の分類と記述・表現だけではなく、すべての人に対するあらゆる健康に関した情報を分類して記述・表現しています。ICIDHが対象とした障害に関する専門家だけでなく、障がい者をはじめとした、保健・医療・福祉のサービスや支援を必要とする高齢者や疾病を持つ人ばかりか、健常者にまで対象が広がっています。
ICFが目指しているのは、保健・医療・福祉の専門家だけでなく、障害や疾病を持った方やその家族、支援が必要とされる利用者にサービス、支援を提供する社会資源となる人々の、ひとの健康の状態や障害の状態について共通理解を持つための「共通言語」となることです。
ICFを用いて、支援を必要とする人が生活する上での環境を評価することができれば、その人の生活上の環境を改善するための具体的な対応を検討することが容易になります。そして、検討の結果によりサービス、支援が提供されることによって、生活する上での環境が整備されその人の活動や社会参加のレベルの向上につながるとされています。
ICFは支援を必要とする人やその人をとりまく社会資源にとって、対象となる人についての健康に関する共通理解を得るための共通言語としてのツールとなるだけでなく、支援を必要とする人のケアマネジメントの中でアセスメントを行うために手助けとなる良いツールとなると考えられます。