ICFは、ひとのあらゆる健康に関した情報を、コード化の規則やガイドラインに従って、分類して記述・表現するものです。ICFは、あらゆる健康に関した生活機能や社会制度、社会資源などについて、評価を行う事で支援を必要とする方に対しての、固有のコード化(分類)が行われます。
ICFの分類は、生活機能と障害の構成要素と背景因子の構成要素に大きく分けられています。生活機能と障害の構成要素には、「身体」と「活動と参加(d:domein)」が、背景因子の構成要素には、「環境因子(e:environment)」と「個人因子」とが含まれます。さらに、身体の構成要素には、「心身機能(b:body)」と「身体構造(s:structure)」が含まれています。
ICFのコード化は、b・s・d・eの4つの要素に含まれるカテゴリ(項目)を、定義とガイドラインに基づいて評価することで行われます。評価の結果は、bには1種類、sには3種類の評価点があり、dでは2種類の評価点に加えて、任意の2種類の評価点があります。そして、eには1種類の評価点があります。
ICFの分類は、コード化によってb・s・dいずれかのアルファベットを先頭にして、3桁から5桁のカテゴリーコードに、評価の結果得られた評価点が小数点をはさんで、1桁から4桁で表されます。また、eのカテゴリについては、eの後に3桁ないしは4桁のカテゴリコードが、それに続いて各カテゴリが阻害因子の場合は小数点を、促進因子の場合は+(プラス)記号をつけて、1桁の評価点が表されます。
ICFは、4つの構成要素を表すアルファベットに、3桁から5桁のカテゴリコードと、小数点もしくは+記号に続く1桁から4桁の評価点でコード化され分類されています。
ICFは、支援が必要とされる方のあらゆる健康に関した情報を分類して、その方の固有のコードとして記述・表現するものです。ICFのカテゴリは、合計で1424項目もありますので、とても全てに対して評価をすることは出来ません。そこで、ICFは、ガイドラインでコード化に関する一般的なルールを定めています。
①個人の特性を示す一揃いのコード(カテゴリ)を選ぶ
②健康状態に関連ある情報をコード化する
③確認可能なものは推定ではなく明確な情報に基づいてコード化する
④情報にとって最も特定的なカテゴリーを選んでコード化する
ICFは、支援が必要とされる方に対して、その個人の健康に関する情報を分類し、評価を加える事によってコード化します。その結果、その方のニーズが明らかになり、ニーズの解消への取り組みについて、必要なサービスや支援を検討する事が出来るようになります。