イメージから解放されることが大切 : 痴呆から認知症へ
認知症への理解が社会一般にまだ低い時代には、「痴呆なんて恥ずかしい」と思う人が多かったようです。そのため家族が痴呆(認知症)になるとご近所の目に触れるのを嫌がり、精神科への受診に拒否反応を示す家族も少なくありませんでした。そのため早期発見、早期治療ができず症状を悪化させたケースもあったようです。
現在では認知症に対する理解や原因を治療すれば治る場合もあるという情報を知り、積極的な治療を希望する家族が増えてきました。
家族の理解を得ることが先決 : 認知症を受け入れる
やはり家族が認知症だと診断されると、家族としてはショックが大きいようです。厳格だった父親が、夜中に歩き回り警察に保護されたら、家族の戸惑いは図りしれません。普通では考えられない行動や言動が続くことに不安を感じている家族には、本人といっしょに早期に専門医の受診を促しましょう。そして、認知症の症状についてわかりやすく説明をし、さまざまな治療や薬のあることなども伝えましょう。
認知症の進行にともなって現れる症状につてのケアの方法や、利用できる施設、相談できる窓口など、沢山の支援機関があることも伝えるようにしましょう。
大切なのは認知症が特別な病気ではなく、誰しもが罹る可能性のあるものであること。恥ずかしいことでもなく、正しくケアをし、家族が協力して向き合うことで、認知症本人も家族も、快適な生活を長く維持することが可能であることも理解してもらうように伝えましょう。
専門医への早期受診
高齢者を抱える家族の多くは、認知症への漠然とした不安を抱えています。少しでも不安を感じている様子を察知した場合は、早期に専門医への受診を促しましょう。早期に発見すれば、治る認知症もあります。早期発見早期治療によって、家族の介護もしやすくなることを伝えましょう。