認知症が進行すると徘徊症状が現れる人が多いようです。徘徊はあてもなく彷徨っているように見えますが、本人には何らかの理由があるようです。理由を理解せずに強制的に止めると症状を悪化させることがあります。
対処法の基本
① 習慣的な徘徊はコースを把握し、迎えに行ける体勢を組む
② 徘徊する認知症の人に付き添って歩く機会をもつ
③ 警察や近所の人に徘徊する可能性のあることを伝えておき、連絡体勢を作る
④ 認知症の人には身元の分かるもの(名前、住所、電話番号を書いて手帳など)を持たせておく、あるいは衣類に名前と連絡先を縫い付けておくなどの工夫をする
徘徊を防止するために閉じ込めるのはストレスを与えることになります
徘徊をする可能性のある認知症の人を家に閉じ込めておく、あるいは介護施設の部屋に閉じ込めておくことは、本人に強いストレスを与えることになります。そのため精神的に不安定となり症状が悪化する可能性があります。
徘徊する認知症の人に付き添って歩き回るなどの対応をしましょう。徘徊をする時間的な傾向が見られる認知症の人も多いようです。夕方になると落ち着きがなくなり、「家に帰る」との理由で徘徊を始めることもあります。こうした場合は、徘徊が始まる頃を散歩の時間にあて、いっしょに散歩を楽しむなどの工夫もおすすめです。
また付き添いを嫌がる人には、徘徊コースを把握しておいて、気付かれないように見守るなど安全を確保するようにしましょう。
周囲との協力体制が必要です
どんなに気を付けていても徘徊して行方不明になる場合があります。そうした場合を想定し、普段から周囲の人とのネットワークを作っておきましょう。認知症の人が健康な時から利用していたお店には、認知症になっていることを伝え、見かけたら本人とは何気ない会話をしてもらい、介護者に連絡を入れてもらえるように依頼しておきます。また、地域の警察にも協力を仰いでおくとよいでしょう。