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人権は何時でも何処でも誰にでもあるものです

人権とは、元々はヨーロッパで生まれた考え方で、アメリカ合衆国の独立宣言や憲法、フランスの「人と市民の権利の宣言」などにその考えが盛り込まれています。しかし、これらの宣言は、あくまでも白人、欧米人の人権、それも成人男子に対するものであり、女性や子どもに対する人権は制限され、人種が異なったり征服地、植民地の人々の人権は全くと言って考慮されていませんでした。

第二次世界大戦が終結後に国際連合の世界人権宣言が発せられ、人権について世界人権宣言の第一条に、「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない」と記されています。

人権の普遍性について、はじめて第二次世界大戦が終結後になって謳われるようになり、「人権は何時でも何処でも誰にでもあるもの」という考えとなりました。

人権には、数多くの種類の権利がありますが、それぞれが独立しているものではなく、互いにつながりあっており、一つの権利が阻害されれば他の権利にも悪影響を及ぼす事になります。

介護という仕事を行うに当たっては、当然ながらサービス、支援を提供する利用者の人権を意識し守り支える必要があります。利用者は、生理的老化や病的老化に伴う疾病・障害や先天的障害、後天的障害により、日常生活に支障を感じたり支障を得ることになり、そのために様々な人権が阻害されたり阻害されようとしています。

介護職が行うサービスや支援の提供は、利用者の人権を守り支えるだけでなく、障害や疾病により阻害された人権を回復することも含まれます。

介護職が利用者の人権を守り支え、回復するための支援を行うには、まず利用者のことを良く知ることが、はじめの一歩となります。そして、利用者がどのような支障を日常生活に感じていたり、実際に支障が生じているかを知ります。そして、介護職が行うサービスや支援の提供についての内容、方法、期間などを決定し、実際のサービス、支援の提供を行うことになります。

人権というのは「何時でも何処でも誰にでもあるもの」ですから、特別に意識するものでは無いとも考えられますが、介護職としては、サービス、支援を提供する時には、相手(利用者)を知り、相手を尊重し、相手の生活を守り支えるという事を意識しながら、相手の意志、決定を確かめ理解しながら活動する事が、相手の人権を守り支える事になると考えられます。



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