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個人の尊厳を支えるには、全人的なかかわりが必要です

個人の尊厳を支えるには、個人の人権、自己評価、自己決定を積極的に尊重することが必要で、身体や精神という要素だけが考慮されるのではなく、人格や社会的立場なども含めた全人的なかかわりが必要となります。個人の人権と尊厳とは、とても強いつながり持っており、個人の尊厳が人権の根拠にもなっています。

個人の尊厳が人権の根拠になっているように、「何時でも何処でも誰にでもあるもの」という、人権と同じように普遍的なものと言えます。

介護の仕事を行うに当たっては、高齢者や障害者の尊厳について意識を持ちながらサービスや支援の提供を行っていかなければなりません。介護を必要とする状態になっても、その人らしい生活を自分の意思で送ることを可能とする、高齢者や障害者の尊厳を支えるケアを目指さなくてはなりません。

介護職の基本的な姿勢として、「利用者の話を傾聴し、すべてを受容し、共感すること」が求められていますが、単に話を聴くだけ、受容するだけ、共感するだけになっていないかを、常に意識していなくてはなりません。

利用者の尊厳を支えることは、介護職が自分の価値判断で利用者の話を聴くこと、受け止めること、共感することではありません。利用者の尊厳を支えるためのかかわりは、利用者の考えと介護職との考えの間に違いが最小となるよう取り組みを行いながら、相手(利用者)を知り、相手を尊重し、相手の生活を守り支えるという事を意識して、相手の意志、決定を確かめ理解しながら活動する事と考えられます。

利用者の考えと介護職との考えの間に違いが最小になるような取り組みは、相手(利用者)の話を聴き取り自分(介護職員)の理解した内容が相手の考えだと納得するのではなく、自分が理解した内容を相手に返して確かめる作業を繰り返すことが必要です。自分が発した相手の話の内容について、相手が理解して話しを再び返してくることになります。それをまた自分の理解した内容として返して、相手が話しを返してくるというくり返しを行う事で、相手と自分との考えが同じとなったと感じることが出来ます。

このくり返しの作業を「フィードバック」と言います。フィードバックを行う事で、相手(利用者)と自分(介護職員)との間のコミュニケーションには、相手を尊重した傾聴、受容、共感が得られるようになります。そして、相手の考えにより近づくことが出来るようになり、その結果として相手の尊厳を支え守ることになります。



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個人の尊厳を支えるには、全人的なかかわりが必要です
人権は何時でも何処でも誰にでもあるものです

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