今どきの有料老人ホームは住宅型有料老人ホームのことをいいます
介護保険制度が始まる前は、有料老人ホームと言えば高額な入居金を一括で支払うことが必要で、大型のホテル並みの施設設備を持った高齢者向けの住居で、介護が必要となった場合には入居時の契約に基づいて同じ居住スペースもしくは介護専門の居住スペースへと移って、施設から提供される介護サービスを受けながら生活すると考えられていました。
介護保険法制度が始まってからの有料老人ホームは、当初は介護保険開始前の有料老人ホームが多数を占めていましたが、介護保険法開始、老人福祉法改正、未届施設届出強化、高齢者住まい法改正という節目節目で期間を区切りますと、それぞれ1700件から1900件の届出があり介護保険開始時の有料老人ホーム数が262件だったものが、平成24年7月には7484件となりました。
有料老人ホームは介護付有料老人ホーム(介護付ホーム)と住宅型有料老人ホーム(住宅型ホーム)が二大施設となっており、前者は全有料老人ホーム中41.6%、後者は57.8%を占めており、現在では介護保険制度が始まる前の有料老人ホーム事情とは全く様相が異なっています。
有料老人ホームの入居時の費用事情はどうなってるのでしょう
有料老人ホーム協会が平成24年に行った調査結果によりますと、入居時に支払う費用について全施設のうち6割以上が年齢・要介護度による設定を行っておらず、住宅型有料老人ホームでは85%の施設が年齢・要介護度による設定を行っていません。
入居時に支払う費用についての平均金額は、介護付ホームが1495万円、住宅型ホームが418.5万円となっています。ただしこの費用の平均は介護付ホームのうち25.2%、住宅型ホームのうち45.2%は前払い金なしとなっている施設数は含まれていないことに注意が必要です。
また入居時に支払う費用は住宅利用料が主となりそれに介護サービスなどが付帯して決定しますが、その支払いが一括払いか一部払いかで必要な額が変わってきます。一括払いは介護付ホームの50%が1000万円から3000万円未満の間となっており、一部払いは63%が250万円から1000万円未満の間の支払いなっている一方で、住宅型ホームでは一括払いは52.9%が1500万円以上となっており、一部払いは約80%が500万円未満となっています。
実際に必要な入居時の費用はいくら必要かというと
施設によって様々な費用の支払いと契約の方法がありますので、準備する費用がいくらかというのは入居する施設の入居権、住居状況、施設設備、付帯するサービスなどによって異なります。
施設に入居してからの住居費や付帯するサービスを介護付ホームへの入居時に全て払うとすると1000万円以上は必要となり、住宅型ホームでも1500万円は必要となると言えます。その一方で、全く入居の費用が必要がないという施設が介護付ホームで25.3%、住宅型ホームでは53.1%もありますので、入居時に多大な費用がかならずしも必要ではなく、自分の懐具合と相談しながら施設を選ぶことが出来るようになっていると言えましょう。