チームケアを行う介護職チームは、介護サービスでは数多くのサービス単位で介護職チームが作られることになります。さらに利用者ごとのチームも、訪問介護サービスをはじめとして、介護職チームが作られる介護サービスがあります。
介護職チームも利用者主体のケアチームとなるためには、チームのマネージャー、コーディネーターやキーパーソンが必要となります。訪問介護サービスでは、サービス責任担当者が介護職チームのマネージャー、コーディネーターとなり、利用者の心身の状況や生活環境などを考えた上で、サービス責任担当者や他の介護職チームの中から、キーパーソンにふさわしい職員が定められることになります。
介護職チームのマネジメントを行ってゆく上で、情報共有、意識統一を行ってゆくのは、情報共有については同じ介護サービス事業所で仕事をしている事から、ケアチーム全体に比べると容易と考えられます。実際にはケアチーム共通の情報源となる記録についても、記録文書としてふさわしい文章の量、文字や内容の巧拙などについて、個人個人に大きな差があります。
記録は介護職本人が記載して読む(確かめる)だけでなく、ケアチームや利用者、第三者にも読まれる事を意識して記録しなくてはなりません。記録には「5W1H」や「起承転結」を意識して、実際のサービス・支援の提供を行った内容や利用者の状況を簡潔まとめながらも具体的に記載する必要があります。介護職チームのチームマネジメントは、記録の記載についての意識統一から始まる事になりそうですが、介護職チームとして情報共有、意識統一に必要な事は、ひとつひとつ行ってゆかなくてはなりません。
介護職チームとして共通言語、共通の物差しは、生活支援、身体介護のサービス・支援の提供や利用者の心身の状況について、メンバーの情報共有、意識統一が可能となるツールを必要とします。介護職チームとして、利用可能なツールとしては、「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」の「『できる(実践スキル)』のチェック項目」が参考になると思われます。
「『できる(実践スキル)』のチェック項目」は、Ⅰ.基本介護技術の評価、Ⅱ.利用者視点での評価、Ⅲ.地域包括システム&リーダーシップの項目の中に、合計で13中項目、42小項目が分類されており、小項目の中にチェック項目が148項目あります。これを共通言語、共通の物差しの元にして、情報共有、意識統一の取り組みを行う事で、チームマネジメントはスムーズに行われるようになり、他の介護職チームとの連携・協働も行いやすくなることが期待できます。
図:介護プロフェッショナルキャリア段位制度 評価者[アセッサー]講習テキスト 平成25年度版より
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