認知症対応型共同生活介護(グループホーム)情報はどこにあるか
インターネットで施設情報を得ようとして施設名で検索すると、多くは施設サイトがヒットしますが、中にはマップ情報が最初に出てきて施設サイトと間違えそうになったり、介護情報紹介サイトがずらりと並んで肝心の施設サイトが埋もれてしまうという事もあります。
多くの介護情報紹介サイトも情報を得る一つの方法としては良いと思いますが、営業を目的にしたものでしょうから、その中で提供されている情報は施設から得たもので内容としては、介護事業所検索・介護サービス情報公表システムに公開されている情報の一部であったり、特別なものは無さそうに思われます。そして、サイトの構成などを見ても宣伝が多く営業色が強くて躊躇してしまいます。
厚生労働省が直轄で運営している「介護事業所検索・介護サービス情報公表システム(http://www.kaigokensaku.jp/)」は、国が介護保険制度で定められた方法で情報を得ており、公平、公正が原則でしょうからその情報にはある程度の信頼が出来ますし、ここに全国一律の基準で得られた良質な介護事業所についての情報が集まっていると言えます。
介護事業所検索でグループホームの情報はどこにあるでしょう
介護事業所検索(http://www.kaigokensaku.jp/)にあるグループホームの情報は、サービス種別の中の「地域に密着した小規模な施設等」の分類に「認知症対応型共同生活介護」として項目があります。この項目にチェックをして地図を選択して施設一覧のコンテンツに入るとなぜかサービス項目にはグループホームとなっていて、それならば認知症対応型共同生活介護などとわかりにくい名称を使わなくても良いのではと思いました。
施設一覧から確認したい施設を選択すると、①事業所の概要、②事業所の特色、③事業所の詳細、④運営状況、⑤その他の五つのタブが出てきます。この中で②は事業所の判断で作成され、⑤は都道府県の判断で作成されるものとなっていて全国一律とはなっていませんので、①、③、④の情報からチェックする事になります。
グループホームをチェックする
この中で①、③にある利用料やサービスの内容などの基本的な内容はチェックするのは当然ですが、その中で特にチェックしたいものは、●協力医療機関、●職員情報、●退居情報の3点になります。
●協力医療機関は認知症高齢者にとって日常的な医療ケアを受けながら認知症の進行を遅らせたり、病状が不安定になったときには緊急対応を受けなければならないという、グループホームでの生活には重要な役割を持っている存在です。協力医療機関とグループホームとの関係だけでなく、医療機関の診療体制、入院体制、医療レベル、他医療機関との連携等については、グループホームでの日常生活だけで無く認知症の予後にも大きく影響しますのでインターネットなどで必ず確かめなくてはなりません。
●職員情報は、①に概要、③に詳細な情報があります。職員体制や介護体制の安定を見るには①の従業員情報で可能ですが、③の従業者タブの中にある「職種別の従業者の数、勤務形態、労働時間、従業者1人当たりの入所者数等」と「従業者である介護職員が有している資格」との比較を行う必要があります。介護職は有資格者か介護研修終了者と考えがちですが必ずしもそうではない事がこの2つの情報を比較することでわかります。施設の基本的な体制がどのようなものかがチェックできますので、細かい表でわかりにくいですが計算しながら見比べて確認しましょう。
●退居情報は、①と③にありますが、③のサービス内容タブの中に「退所者の人数(前年度の状況)」があります。退居人数も施設の介護や運営の安定性を見るポイントとなりますが、退居先がどのようになっているかも重要なチェックポイントになります。小規模な施設ですから退去者の人数が多いというのは、介護体制や医療機関との連携や医療機関の体制に問題があるとも考えられます。また、この表の直ぐ下に「入所者の平均的な入所日数(前年度末時点)」がありますので、併せて確認すると施設の介護と生活環境が垣間見えてくると思います。