有料老人ホームの施設数が一番多いのは神奈川県です
有料老人ホームは全国で7,484施設(平成24年7月1日現在)、313,092人の定員となっています。なんでも日本一は東京都だと思うのは人口が多いですから当然だと思いますが、実は神奈川県が施設数では日本一になっています。
東京都は23区内だけでなく都内で大きな施設を作るのは以前から難しくなっており、社会福祉施設について他県の施設に定員を買うことまでして施設利用を実現させているという事があったのですが、その一方で神奈川県は会社の独身寮などが福利厚生の縮小等により廃止となり、その後に有料老人ホーム事業者が改造の手間をそれほどにかけなくても使用することが出来ることに目をつけて施設として開設しているものが数多くあります。
有料老人ホームの施設数ベスト5は、神奈川、東京、大阪、福岡、愛知の順になっており、愛知県の施設数はおよそ400施設弱ですが、その他の施設数は500施設前後となっています。一方で施設数が少ないベスト3は、滋賀、山梨、福井となっていていずれも施設数は20施設以下です。
有料老人ホームの定員数ベスト5は、施設数ベスト5と4位までは同じですが、5位に千葉県が入っています。神奈川県と東京都とは35,000人前後の定員数があり、大阪はずっと少なくなって約25,000人となります。
介護付き有料老人ホームはどのくらいあるのか
介護付き有料老人ホームは3,143施設で定員は195,352人となっていて、施設数ベスト5は、東京、神奈川、大阪、埼玉、福岡の順で、東京都の474施設、神奈川県の404施設の2自治体の施設数が突出しており、他の3自治体は200施設前後となっています。一方、施設数が10以下の県が10県あり、富山県は1施設のみとなっています。
介護付き有料老人ホームの定員数ベスト5は、東京、神奈川、大阪、埼玉、千葉となっており、東京都と神奈川県とは30,000人前後の定員数となっています。その一方で定員数の少ない県は、富山県の41人、青森県の195人をはじめ定員が1,000人以下の自治体が17県となっています。
住宅型有料老人ホームはどのくらいあるのか
住宅型有料老人ホームは3,143施設で、定員は117,440人となっています。施設数ベスト5は、福岡、大阪、熊本、沖縄、愛知の順になっており、福岡県の283施設から愛知県の196施設までとなっていますが、大分、青森の両県は、194施設と愛知県とほぼ同数となっています。施設数が10施設以下の県が2県あり、山梨県が6施設、滋賀県が8施設となっています。
住宅型有料老人ホームの定員数ベスト5は、大阪、福岡、愛知、神奈川、千葉の順位になっており、青森県がそれに次いでいます。定員数が500人以下の県が4県となっています。
住宅型有料老人ホームは、九州沖縄地方では施設定員数が他の地方に比べるとすべての県が1000人以上の定員を持ち、佐賀県が65施設、大分県が99施設でありますが、他の県はすべて100施設以上の施設があります。
介護付き有料老人ホームと施設型有料老人ホームとを比べてみると
有料老人ホームには介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホームと健康型有料老人ホームとの3種類の施設がありますが、健康型有料老人ホームは17施設、752人と非常に施設数、定員数とも少なく漸減の傾向にあり施設を探すことの方が難しい状況であります。
介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームとの施設数、定員数それぞれを比べてみると、住宅型有料老人ホームが1,000施設以上も上回っており、定員では介護付き有料老人ホームが80,000人も多くなっています。
有料老人ホームは大都市圏の施設数が多いことが特徴と思われますが、関西都市圏の兵庫県、京都府の施設数、定員数が他の大都市圏に比べると非常に少ない事が目立っていますが、兵庫県は介護付き有料老人ホームが県全施設数の約80%、県全定員数の約85%を占めており、他の都道府県とは異なった特徴を持っています。また、京都府は県全施設数が42施設、県全定員3,136人と施設数は全国で下から7番目となっていますが、施設定員数の多い介護付き有料老人ホームが多いためか施設定員は多いという特徴を持っています。
介護付き有料老人ホームの施設数が多い自治体は11都道府県にとどまっており、残りの36府県は住宅型有料老人ホームの施設数が多くなっています。一方施設定員は介護付き有料老人ホームの定員数が多い自治体が21都道府県にとどまっており、介護付き有料老人ホームの1施設あたりの定員が多いとはいえ過半数の自治体では施設数、定員数共に住宅型有料老人ホームのほうが多くなっています。
介護付き有料老人ホームは大阪府や福岡県という例外はあるものの都市部の高齢者の受け皿として、住宅型有料老人ホームは地方の過疎化、高齢化による単身独居となってしまった高齢者の地域での生活を続けるための有力な受け皿としての機能を持つようになっているのではないかと考えられます。