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vol 16: 成年後見制度の上手な使い方
■ 特 集 ━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
知って得する介護保険外サービス
今回は、成年後見制度について紹介します。
前回紹介した消費者保護の話の延長になりますが、
認知症などにより、判断能力の低下した人が不利益を受けることがないよう、
成年後見人として選任された方が
契約行動を補佐したり代理で行ったりすることができる制度を成年後見制度といいます。
例えば、認知症などにより判断の低下した方(被後見人)が
本来必要のない契約をしてしまった場合、
それが悪質な業者によるものでなくても、
本人の利益を守るためにその契約を後見人により取り消すことができます。
成年後見制度では、補助・補佐・後見という三つの類型があり、
被後見人の判断能力に応じてどの程度の支援が必要なのかが裁判所で決定されます。
後見が最も判断能力が低下した状態なのに対し、
補助は判断能力が「不十分」な状態を指しており、
後見人・被後見人の行うことができる法律行為の範囲も異なっています。
任意後見といって、その時点で判断能力に支障がない状態でも、
将来、後見が必要になった時に後見人になるべき人をあらかじめ選任するという仕組みもあります。
後見人となるのは、親族等だけではなく、
職業後見人も増えており、司法書士会・行政書士会・社会福祉士会などで紹介を受けることもできます。
また、積極的に市民後見人を養成している自治体も増えています。
後見人は本人に代わって契約行為をしたり、財産の管理を行ったりしますので、
被後見人から後見人に支払う報酬が発生します。
報酬の金額は裁判所が決定をしますが、報酬の支払いを継続するのが難しい場合、
市町村で成年後見制度利用支援事業を行っていますので、
条件に該当する方は市町村の助成により後見手続きの費用や後見人への報酬の費用が軽減されますので、
相談してみることをお勧めします。
■ おすすめトピックス ━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
(Q)運転免許保持のままでは認定はムリ?(つうさんの投稿)
認知症の母を老老介護している父(78歳)についてご相談です。
現在両親は遠方で二人暮らしをしており、やや田舎なため、買い物や通院などには車がないと何かと不便な地域に住んでいます。
父は、日常の家事と母の介護を一生懸命頑張っています。両親はもともとも仲がよく、
父はできる限り自分が母の面倒を見てあげたいと考えているようです。
私自身は車で2時間ほどかかる地域に暮らしているため、週末に泊まりがけで介護に行く以外、あまりサポートができない状態です。
せめて母がデイサービスに通うなどしてくれれば、その間だけでも父を休ませてあげられると思うのですが、
人見知りが激しいこともあり、行きたがらないようです。
父も無理に行かせるのはかわいそうだと考えているため、父の負担が減りません。
できれば父も介護認定を受け、最初だけ一緒にデイに通うなどすれば、
母もデイを利用できるようになるかなとも思うのですが、父は免許を持っているため、
介護認定を受けられないのではと、知人に言われました。
免許を持っている人間は介護認定は受けられないのでしょうか?
(A)
つうさん、はじめまして。どうぞよろしくお願いします。
遠距離での介護をされながら、お父様のご心配もされ、
思いやりをもって接されているようで、頭が下がります。
質問の件ですが、
介護保険の認定は運転免許があったからといって受けられないというものではありません。
実際、要支援・要介護の認定を受けていらっしゃる方の中に、
日常的に車を運転して外出されている方も多く含まれています。
膝や腰などの痛みにより歩いて外出することが困難な方にとって、
車を運転することが、買物や通院などを行うために必要な外出手段となっています。
もちろん、判断力や視力の低下など、注意しなければいけない部分はありますので、
どの時点で運転をやめるか、免許を返納するかは難しい判断になります。
車の運転により、外出の範囲も広く、買い物などもできているということになりますので、
介護保険の認定が受けられるかどうかは、
それ以外の部分で、お父様への介護がどの程度必要と認められるかということになります。
同居家族の介護で腰などを痛められる方も多いので、
介護をしている同居家族(夫婦など)で認定を受けられている方はとても多いです。
お父様の状態が、介護や支援の必要な状態と判断されれば、認定がおりますし、
そうでなければ、介護保険非該当(自立)という判定になる場合もあります。
一緒にデイサービスに行くということであればお母様も気が楽になると思いますが、
その反面、お父様としてもお母様と離れる時間を持つことができないというデメリットもあります。
デイサービスを利用するとしても、ご夫婦の距離感をどのようにとっていくのかは
よく検討してみる必要があると思います。
どのような形で介護負担を軽減するかをケアマネジャーさんと相談してみてください。
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