「有料老人ホームは終身で利用できるのか」という疑問
かつては自宅で老後の生活をおくる方が多かったのですが、近年では核家族化や少子化の影響によって、自ら介護施設への入居を希望される高齢の方が増えてきています。そのような希望をされている方から寄せられた介護施設に関する疑問を紹介します。「有料老人ホームに入居しようと考えています。資料を確認すると、かなり高い費用がかかることがわかりました。高い費用を支払うわけですから、最後まで入居することができるということでしょうか?」
施設によって異なる終身利用の可否
さて、この疑問に対する回答は「一概にはいえない」というあいまいなものになってしまいます。有料老人ホームでは施設ごとに必要とされる費用はさまざまです。ですから、高い費用を支払うからといっても、施設を終身利用できるわけではないのです。施設によって、契約方式が決まっていますので、契約するときに充分に確認しておくことが重要になります。
有料老人ホームの契約方式3分類
有料老人ホームの契約方式は大きく分類して3つに分かれます。権利が大きい順に、「所有権分譲方式」、「終身利用権方式」、「賃貸方式」に分類できます。もっとも権利が大きい「所有権分譲方式」は分譲マンションの契約方法をイメージするとよくわかります。施設内の一部屋の所有権を購入しますので、終身で利用できるだけでなく、売却や相続をすることもできます。そのつぎに権利が大きいものが「終身利用権方式」です。この方式でも、施設の終身利用をすることができます。ただ、あくまでも施設を利用する権利が終身であるだけですので、権利を売却することや相続することはできません。最後に「賃貸方式」は権利が小さい方式です。この方式は賃貸住宅のような特徴をもっています。毎月の家賃を払いつづけるかぎり入居できる方式です。それぞれの契約方式は一長一短ですので、老後のライフプランに応じて慎重に選んでくださいね。