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「治療」はからだの機能回復が目的「介護」は健康なからだづくりが目的

不自由ない生活の繰り返しこそが介護

介護とはどのようなものかを説明する前に、まずは「治療」と「介護」の違いについて触れておきます。

病院で行う病気やケガの治療は、もとからある身体機能を回復させるためのものです。現代では、科学的に立証された根拠をもとに、どのくらい回復するのかを予測。設定された目標に向けて行うのがリハビリという名の治療で、目標を達成すると健康になり、元通りに生活できると考えられています。

対して介護は、病院でのリハビリを終え、身体機能が“これ以上、回復しない”というところがスタート地点。特別なことはせず、日常生活を送る中で健康がつくられていくという考え方です。

例えば障がいがあったとしましょう。何らかの病気によって障がいが出たとしても、その障がい自体は病気ではありません。若しくは、先天的に障がいをもっている人にも同じことが言えるのですが、その人なりの日常を送り、社会との関わりをもった生活をしています。

同様に、介護の主な要因となる老化も決して病気ではありません。人間には年相応の生活というものがあり、そのときどきに見合った健康があります。リハビリを終えたら、障がいや老化を現実のものとして受け入れ、その中で地域や社会との関わりをもちながら、自由な生活を送る。その繰り返しこそが介護であり、健康なからだをつくっていくのです。

本人の自発性を尊重する

では具体的に、健康なからだをつくるための生活づくりとはどのようなものなのでしょう。

人は誰しも、リラックスした時間を心地よく感じるでしょう。そのために、例えば眠るときの枕の高さを調節したり、お風呂に入浴剤を入れたり、犬や猫などペットを飼う人もいます。介護における生活づくりも同じこと。介護が必要になったとき、要介護者が不自由なく生活できるような住環境を整えてあげれば良いのです。

住まいをリフォームできるのであればそれに越したことはありませんが、現状に少し手を加えるだけで住み心地が良くなるような、生活づくりの工夫はたくさんあります。

例えばお風呂。リハビリを終えた後の自宅での入浴は、要介護者にとってはもっとも安心できる時間ですが、からだが上手く動かせないのに浴槽のへりが高かったりしますと、それだけで不自由を感じてしまいます。そうならないために、シャワー椅子や浴槽手すり、入浴用踏み台といった介護用品が必要になってきます。

では、排泄ではどうでしょう。できるだけトイレで排泄ができるよう、和式便器の上にかぶせるタイプの洋式便器もあります。また、排泄時に転倒したりしないよう、滑り止めマットや手すりを使うのも良いでしょう。歩行が困難であれば、ベッドの横にポータブルトイレを用意しても良いですし、介護用おむつもいろいろな種類のものが販売されています。

こうした生活づくりへの工夫をする上で大切なのは、要介護者にとって本当に必要な工夫は何なのか、本人が何を望んでいるのかを理解すること。介護者の都合の良いように押し付けるのではなく、本人の自発性を促すような工夫を考えましょう。



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