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認知症は進行性で非可逆的な疾病から進行性or不変or改善の疾患となって来ておりいずれは根治可能な疾患へ?

認知症は、過去に於いては≪進行性≫で≪非可逆的≫な疾病として捉えられていました。認知症様症状をきたす疾患の中には、原因疾患の早期診断・早期治療・処置により、治癒や症状の改善が可能となるものが多くなってきました。認知症の分類に、【治療可能な認知症】という概念が加わり、現在では、認知症は≪進行性≫、≪不変≫、≪改善≫のいずれかの経過をたどるとされています。

認知症の治療は、適切なケアやリハビリを薬物療法よりも先に考慮すべきであるという治療原則を「認知症疾患治療ガイドライン2010」では推奨しています。現在、そして、これからの認知症への取り組みは、「パーソンセンタードケア person-centered care」を基本とした<その人らしさ>を維持することを大切にし、「いつでも、どこでも、その人らしく」暮らせるように支援し、その人の言動をその人の立場に立って考えて見ることが基本であると考えられています。

認知症の原因は、神経変性疾患以外の疾患については明らかではありますが、認知症の方の多くを占めている、アルツハイマー型認知症、レビ-小体認知症などの神経変性疾患については、その根本原因は未だに不明となっています。

アルツハイマー型認知症には、いくつかの仮説があり、それに従った治療薬が開発されて、認知症の症状の遷延や抑止に効果が見られる薬剤が開発されて、現在、わが国では4種類の認知症薬が承認を受けています。認知症の予防や根治治療薬の開発が盛んに行われており、期待されてはいますが新薬の開発・承認までにはまだまだ時日がかかるようです。

アルツハイマー病の克服をめざす全日本臨床研究「J-ADNI(日本アルツハイマー病脳画像診断先導的研究)」が安倍内閣の成長戦略の一つとして、国と製薬会社が33億円を投じて2008年より開始されましたが、その臨床試験データが改ざんされた可能性があるという疑惑が浮上しており、厚生労働省は調査を行っています。

J-ADNIに続いてJ-ADNI2の超早期アルツハイマー病の指標作りを目指す臨床研究が開始されておりますが、ボランティア募集は中止されています。

これからの認知症の治療・対策は、根治治療薬の開発と早期発見・早期治療から、軽度認知障害(MCI)の段階からの対策が行われることになると考えられます。

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