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-認知症ケアの視点-国(厚生労働省)が考えているこれまでの認知症ケアの不適切な流れを変える7つの視点とは?

国は、今後目指すべき認知症ケアの基本目標として、これまでの不適切な「ケアの流れ」を変えるために、「認知症の人は、精神科病院や施設を利用せざるを得ない」という考え方を改めることで、「認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会」の実現を目指すことになります。

不適切な「ケアの流れ」を変えることを実現するために、新たな視点に立脚した施策の導入を積極的に進めることにより、これまでの≪自宅⇒グループホーム⇒施設or一般病院・精神科病院≫というような不適切な「ケアの流れ」を変えて逆の流れとすることで、認知症の状態に応じた適切なサービス提供の流れを作ることを目指すとしています。

「ケアの流れ」を変えるという目標を実現するためには、現在行われている施策について、多くの意見や批判を踏まえて、見直しやバージョンアップを図ることにするとしています。新規施策と合わせて、地域で医療、介護サービス、見守り等の日常生活の支援サービスが包括的に提供される体制を、7つの視点に立って目指して行くことになります。

【7つの視点からの取組】

1.標準的な認知症ケアパスの作成・普及

2.早期診断・早期対応

3.地域での生活を支える医療サービスの構築

4.地域での生活を支える介護サービスの構築

5.地域での日常生活・家族の支援の強化

6.若年性認知症施策の強化

7.医療・介護サービスを担う人材の育成

国は、認知症の人への新たな「ケアの流れ」として、これまでのケアは、認知症の人が認知症行動・心理症状(BPSD)等により【危機】が発生してからの≪事後的な対応≫が主眼となっていたとしています。これに対し、今後目指すべきケアは、新たに[早期支援機能]と[危機回避支援機能]を整備して、【危機】の発生を防ぐ≪早期・事前的な対応≫に基本を置くと考えています。

[早期支援機能]として期待されるのが、≪認知症初期集中支援チーム≫となります。このチームは、地域での生活が可能な限り維持できるようにするための初期集中支援を、発症後できる限り早い段階で包括的に提供するものとなり、新たな認知症ケアパス(認知症の状態に応じた適切なサービス提供の流れ)の【起点】に位置づけられるとしています。

かかりつけ医の認知症対応力が向上し、≪認知症初期集中支援チーム≫の取組が普及するまでの間は、主として<身近型認知症疾患医療センター>の医師が、≪認知症初期集中支援チーム≫の一員として関与したり、ケアマネジャーやかかりつけ医等に対する専門的なアドバイスを行う役割を果たすものになると考えられています。

<身近型認知症疾患医療センター>は、[危機回避支援機能]を担うことも期待されます。このセンターは、地域でかかりつけ医やケアマネジャー、≪認知症初期集中支援チーム≫等の在宅関係機関を支援し、地域の対応力を高める機能を担うことになります。さらに、在宅関係機関だけでなく、介護保険施設や病院等と連携し、認知症の人が行動・心理症状等により危機的な状況に陥らないようにするための[危機回避支援]を行うものにもなります。現行の「認知症疾患医療センター(地域型・基幹型)」は、詳細・厳密な診断が必要とされる困難な事例や夜間救急対応、身体合併症で入院が必要な場合に対応することが想定されています。

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