めまいには、≪①回転性めまい:身体が回転するような感じがする≫、≪②浮動性めまい:身体がふわふわ雲の上を歩くような感じがする≫、≪③失神感:一瞬意識が無くなるように感じる≫、≪④眼前暗黒感:目の前が一瞬暗くなったように感じる≫という症状が見られます。
高齢者にめまいが多く見られる要因には、①平衡感覚が衰える、②血圧を調節する能力が衰える、③いろいろな病気を抱えていることがあります。
高齢者は、内耳や前庭神経、前庭神経核、大脳皮質などの神経系が老化によって変性して行きます。そのために、平衡感覚の情報をうまく処理できずに、めまいを起こしやすくなります。
加齢に伴って血圧を調整する能力が衰えて、血圧の変動が激しくなります。そのために、脳幹や視床、大脳皮質に酸素や栄養が十分に送られなくなり、めまいを起こしやすくなります。
高血圧症、糖尿病、動脈硬化症などの疾病が原因となったり、疾病を治療するための薬剤の副作用のために、めまいを起こしやすくなります。
若年者であれば、めまいに伴って難聴や耳鳴りという随伴症状が見られることで、耳の疾患が原因のめまいであることがわかります。めまいが生じる以前から、耳鳴りや難聴といった症状があることが、高齢者の場合には、少なからずあることから、必ずしも耳の疾患が原因となるめまいとは判断することが難しくなります。また、高齢者の場合では、めまいの自覚症状も典型的では無く、回転性のめまいが生じる疾病でも、動揺性のめまいが感じられることがあります。
≪高齢者のめまいの原因≫
●耳疾患:良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎、メニエール病など
●自律神経障害:起立性低血圧など
●中枢神経疾患:椎骨脳底動脈循環不全、脳梗塞・脳出血、脊髄小脳変性症など
●心血管障害:不整脈、大動脈弁狭窄症など
●代謝疾患:糖尿病、甲状腺機能低下症
●血液疾患:多血症、貧血
●精神的要因:不安神経症、うつ、ストレス反応
●薬剤性:降圧薬、抗うつ薬、抗精神病薬、抗ヒスタミン薬、抗けいれん薬など
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