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-老視-近視のヒトに起きにくいといわれているのは誤りで老視はだれにでも起きる生理的老化

老視とは、遠くを見たり近くをみたりするという、自由に焦点を変える力が衰えることで生じるもので、近くのものを見るときに困難を来してしまう状況をいいます。

眼を構成する組織の多くは、網膜に焦点が合うようにするために、光を屈折させるレンズの役割をする組織で占められています。角膜と水晶体は、レンズの役割をする組織で、網膜に焦点が合うように、光の屈折を自動的に調節されています。

水晶体の周りの毛様体筋は、網膜に焦点を合わせるための調節を、水晶体の屈折率を随意に変化させることで行っています。近くを見るときには、屈折率が大きくなるように、水晶体の厚さを増加させています。眼は、焦点を合わせるために、視点や眼の動きに連動して、(随意)自動的に調整を行っています。

水晶体の周りの毛様体筋の調整能力や水晶体の弾力性が、加齢に伴う生理的老化によって低下することによって、水晶体の厚さを調整する機能が徐々に衰えて来ます。そのために、近くを見る時に焦点が合いにくくなったり、焦点が合わなくなったり、近くを見続けると眼が疲れるなどの不具合が起きるようになります。

遠視の場合では、遠方のものに焦点が合わせやすいことから、老視となることで近くのものに焦点を合わせることが容易でなくなり、老視を早くに自覚することになります。近視の場合には、近くのものに焦点が合わせやすいことから、老視の自覚が遅くなりがちです。近視用の眼鏡を使用していて、近くのものが見えにくくなるといった症状が起きた場合には、老視が生じていると考えられます。

≪老視の初期症状≫

●肩こり

●眼の疲れ

●目のかすみ

●頭痛

●吐き気

●細かい文字が読みにくくなる

●薄暗いところで文字などが見えにくくなる

≪近見(近点)視力≫

◆20歳代⇒約10cm

◆40歳代⇒約20cm

◆60歳代⇒約100cm

老視用眼鏡(老眼鏡)の使用の有無にかかわらず、加齢に伴う生理的老化に伴って、老視は進んで(悪化して)行きます。老眼鏡を使わないことで、眼の疲れ、目のかすみ、頭痛、肩こりなどの眼精疲労が生じることは、心身の状態や日常生活に支障を来すおそれがあります。老視に気がついたら、生活環境や心身の状態に合わせて、適切な老視用眼鏡を使用することが、老視の矯正のためには必要と考えられます。

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