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-疥癬-ノルウェー疥癬はヒゼンダニの寄生が100万から200万匹

疥癬は、ヒゼンダニがヒトの皮膚の最外層にあたる角質層に寄生する皮膚疾患です。疥癬には、1000匹以下の少数寄生が見られる通常疥癬と100~200万匹の非常に多数の寄生が見られるノルウェー疥癬(角化型疥癬、痂皮型疥癬)があります。

疥癬は、≪ヒト-ヒト≫感染によるものが殆どでありますが、犬・猫・ウサギなどからの≪動物-ヒト≫感染も起きます。犬や猫に寄生するヒゼンダニの種は、ヒトの皮膚の上では3週間以上は生きられないために、≪動物-ヒト≫感染での症状は一時的なものとされています。

ヒゼンダニは、0.2~0.4mmの大きさで、卵から成虫になるまでに10~14日かかります。交尾後に雌は、手首、掌、指の間、肘、腋の下などの角質層に、疥癬トンネルと呼ばれる横穴を掘って、1日に2~3個の卵を約1か月間産卵し続けます。

疥癬はヒトの体温よりも低い場所では動きが鈍くなり、16℃以下になるとほとんど運動しなくなります。乾燥に弱くヒトの皮膚から離れると2~3時間で死滅します。高温にも弱く50℃以上の環境に10分以上さらされると死滅します。

通常疥癬は、長時間の肌と肌、手と手の直接接触で、ヒゼンダニが移動することで感染することになります。直接に接触していなければ、数時間の間並んで座っていても感染の心配はありません。通常疥癬の感染者が使用した寝具や衣類などを交換せずに、すぐに他のヒトが使用することで、まれに感染することがあります。感染してから症状が出るまでの潜伏期間は、約1~2か月となります。

ノルウェー疥癬に感染したヒトの角化した皮膚や痂皮、感染者から剥がれ落ちた鱗屑や痂皮には、多数のヒゼンダニがいるので、短時間でも直接に接触したり、寝具や衣類を介した間接的な接触などでも感染します。感染から症状が出るまでの潜伏期間は、4~5日の場合があります。ノルウェー疥癬の感染者からヒゼンダニが感染した場合でも、通常疥癬として発症します。

通常疥癬の症状は、疥癬トンネルや赤い丘疹や結節などです。疥癬トンネルは、掌、指の間や指の側面などに見られます。丘疹は、腹部、胸、足や腕に見られて、激しい痒みを伴います。男性の外陰部では、数mmの結節が見られます。

ノルウェー疥癬の症状は、垢が増えたような状態が主な症状です。灰色から黄白色のザラザラと垢となった厚い瘡蓋(かさぶた)や鱗屑、角質が、手や足、臀部、肘、膝、爪などに見られます。痒みは個人差があって、全く痒みが伴わない場合もあります。

通常疥癬での感染者の留意点は、①入浴時は、手足の指の間や外陰部も丁寧に洗う、②入浴時のタオルなど肌に直接触れる物は共用しない、③パジャマや寝衣、下着は毎日交換する、④雑魚寝や同室での就寝は、感染の可能性があることなどです。

ノルウェー疥癬での感染者の留意点は、①出来るだけ個室を使う、②寝衣を交換する、③入浴の順番は最後にして、垢(瘡蓋、鱗屑、角質)が飛び散らないように気をつけながら、厚くなった垢をふやかして、こすり落とすことなどです。

通常疥癬での介護者、家族等の留意点は、①感染者に接する前後はきちんと手洗いをする、②長時間、肌と肌、手と手を直接には触れないようにする、③同室で布団を並べて寝ないようにする、④タオル、スポンジ、バスマットなど肌に直接に触れる物は共用しない、⑤部屋をこまめに掃除し換気を心がけることなどです。

ノルウェー疥癬での介護者、家族等の留意点は、①感染者と接する時にはスタンダード・プリコーションと接触感染の予防対策の励行、②感染者の部屋に入るときには、靴・スリッパなどの履き物を履き替える、③履き物などに付いた埃やゴミを部屋の外に出さない、④感染者の洗濯者は、非感染者とは別に扱って、乾燥機を使用するか、50℃以上のお湯に10分間以上浸した後に洗濯し、十分に乾燥させる、⑤感染者の部屋は、掃除機でしっかりと掃除する、⑥治療開始時と終了時に室内消毒のために殺虫剤を使用することなどがあります。

参考:疥癬/東京都多摩川立川保健所(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/tthc/kansensho/kansensho/shikkan/kaisen.html)

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