日本語で「自己同一性」のこと。
自分は何者であり、何をなすべきかという、心の中で認識されている自分像を指す。
これに対して他者から見た「その人らしさ」は社会的アイデンティティとよんで区別される。
人間は一人一人、ただ一つの存在として生きているが、限られた人生という時間の過程で年齢を重ね、自分の中に時間と記憶を堆積していく。
これをアイデンティティの成熟という。
「老い」はアイデンティティを追及し認識することであり、その意味で「自分とは何か」という問いを追及できるかけがえのない時間といってもよい。
老いや死に直面することによって、それまでの自分が揺らぐこともあるが、そうした体験はアイデンティティを再構成する機会でもある。