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骨粗鬆症と骨折とはとても強い因果関係があります

骨粗鬆症の原因には、原発性骨粗鬆症と続発性骨粗鬆症とに大きく分けられます。原発性骨粗鬆症は、加齢による生理的老化が主な原因となるもので、原因疾患が認められないものであります。続発性骨粗鬆症は、内分泌疾患、関節リウマチや生活習慣病などの疾病によるものや疾病の治療で服用している薬剤の副作用が原因となるものであります。

骨粗鬆症の危険因子には、遺伝、生活習慣、疾病に関連するものがあります。

●遺伝に関連するもの:閉経の時期、体型(痩せ、小柄)、家族歴など

●生活習慣に関連するもの:偏食、運動不足、アルコール・コーヒーの多飲、喫煙、日光照射不足、(思春期の)極端なダイエットなど

●疾病に関連するもの:卵巣切除、胃切除、糖尿病、甲状腺機能亢進症、関節リウマチ、高カルシウム血症、ステロイド剤の長期服用、原発性副甲状腺機能亢進症、慢性腎臓病、COPDなど

骨粗鬆症に伴う症状としては、はじめは自覚症状はほとんど見られる事はありませんが、≪①立ち上がる時に背中や腰が痛む≫、≪②重い物を持つと背中や腰が痛む≫、≪③背中や腰が曲がってくる≫、≪④身長が縮んでくる≫などが見られるようになると、骨粗鬆症が進行が進んでいると考えられます。

骨粗鬆症もかなり重度になって来ると、≪①身長の縮みが著しくなりとても目立つようになる≫、≪②背中や腰の曲がりがひどくなり明らかになる≫、≪③背中や腰の激しい痛みで寝込んでしまうことが多くなる≫、≪④転んだだけで骨折してしまう≫などが見られるようになります。

骨粗鬆症は、「骨粗鬆症は、低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし、骨の脆弱性が増大し、骨折の危険性が増大する疾患である」という定義にあるように、骨が低骨量となることと骨組織の微細構造の異常が生じることで、骨粗鬆症自体には、骨の成長時のように成長痛のような自覚症状はなく、骨粗鬆症の結果として、骨に外力が加わった際に、骨粗鬆症による低骨量と骨組織が異常であるために骨折が生じることで、骨折に起因する症状や後遺症が引き起こされると考えられます。

骨粗鬆症によって骨折が生じやすい部位は、●背骨(椎体)、●脚の付け根(大腿骨近位部)、●腕の付け根(上腕骨)、●手首(橈骨)の4ヶ所となっています。背骨(椎体)の骨折は、背骨が曲がる(円背)や身長が縮んだり、慢性的な腰痛の原因となります。脚の付け根(大腿骨近位部)の骨折は、歩行機能低下や歩行不能となることが多いことから、ADLやQOLの低下を引き起こす可能性が高くなります。

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