不整脈は心臓のリズムが乱れて脈の打ち方がおかしくなることです

不整脈とは、心臓のリズムの乱れが生じて、脈の打ち方がおかしくなることで、脈が異常に早くなる頻脈や遅くなる徐脈も含まれます。脈とは、心臓の拍動によって、心臓から押し出される血液の流量の変化が、血管に伝わって感じらるものです。

心臓は、筋肉で出来た器官で、冠動脈で心筋細胞に栄養や酸素を供給されます。心臓の拍動は、洞結節で発生した一定のリズムの電気信号が、心臓全体の心筋細胞に伝わることで、心臓全体の心筋細胞がそのリズムに同期して働くことで収縮して、心臓から血液が押し出されることで、一定のリズムの拍動が繰り返されることになります。

心筋梗塞や狭心症は、心筋細胞に栄養や酸素を供給する冠動脈の疾病で、不整脈は心筋細胞のリズムが乱れることであり、基本的には別の病気であります。不整脈の原因は、多くは加齢に伴う生理的な老化によるものや体質によるものであって、心臓の疾病には関係しないものであります。加齢に伴う生理的老化によって、不整脈は増えて行き、ストレス、睡眠不足、疲労などによって不整脈を起こしやすくなると考えられています。

心臓の心筋細胞は、１日に約１０万回も収縮と拡張とを繰り返しています。心筋細胞が１日に１０万回も活動する中で、時には生理的な心筋細胞の動きの乱れによって、不整脈が起きることがあると考えられますが、心疾患、高血圧症、肺疾患、甲状腺異常症などの疾病が原因となって、不整脈が起きる場合もあります。

不整脈には、大きく分けると、脈の遅くなる≪徐脈≫、脈の速くなる≪頻脈≫、脈が飛ぶ≪期外収縮≫の３種類に分けられます。

≪徐脈≫は、心臓の中で電気信号が作られなくなったり、途中で電気信号が止まったりしてしまうために起こります。

≪頻脈≫は、電気信号が異常に早く作られたり、異常な電気信号の経路が出来てしまい、電気信号が空回りして伝わってしまうことで起こります。

≪期外収縮≫は、本来の電気信号が生じる場所以外から、電気信号が早めに出てくることで起こります。

期外収縮で脈が飛ぶのは、本来のリズムより早めに電気信号が出て心臓が動くために、１回の拍動で生じた血流量の変化が少なくて、脈として感じられないためで、心臓は止まっているわけではありません。

≪不整脈の種類≫

１．期外収縮

１）心房性期外収縮

２）心室性期外収縮

２．徐脈

１）洞不全症候群

２）房室ブロック

３．頻脈

１）心房頻拍

２）心房細動（粗動）

３）発作性上室性頻拍

４）心室頻拍

５）心室細動

６）ＷＰＷ症候群

不整脈は、生理的な不整脈がほとんどと考えられますが、心疾患、高血圧症、肺疾患、甲状腺異常症などの疾病がある方だけでなく、特に生活習慣病などが見られず健康と思われている方でも、【急に失神状態になる⇒一時的な心停止、極端な頻脈】、【脈拍が減り強い息切れを感じる⇒心不全による徐脈】、【突然始まる動悸⇒病的な頻脈（頻拍）・脈拍数が１５０以上】といった症状が見られた時は、病的な不整脈であり速やかに受診や治療が必要と考えられます。

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