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皮膚の老化と紫外線との関係は大きいのですがビタミンD生成には紫外線が必要です

加齢に伴う生理的老化によって、皮膚の細胞は分裂能力を失うことで消失し、数を減らして行くだけでなく、機能低下も併せて生じることになります。

皮膚は、常に外界と接触していることから、紫外線やタバコの煙をはじめとした様々な外部環境からの物理的、化学的刺激を受けてしまい、皮膚の部位によっては加齢による変化が、生理的老化だけで止まる事が出来ず、病的老化が引き起こされて、皮膚疾患が生じることになります。

皮膚が紫外線の影響を受けて、生理的老化が進むことで生じてしまう、シミや皺、いぼなどの病的老化による変化を光老化と言っています。皮膚が日光に当たりやすい場所と、日光に当たらない場所との間では、光老化の度合いが異なることは明らかです。

皮膚が紫外線を浴びる事は、光老化や老人性角化症、皮膚がんなどの皮膚疾患の発症などを考えると避けるべき事であると考えられますが、皮膚と紫外線との関係には、骨を作り出すために必須のビタミンDの生成に関係があります。ビタミンDは、骨を作り出すために必要なだけでなく、免疫作用を高めたり疾病を予防する働きにより健康の維持には欠かせない栄養素であることがわかって来ています。

皮膚が紫外線を浴びる事を忌避するのは、ビタミンDの生成が行われないことになり、健康の維持、特に骨の健康を損なう事になりかねません。WHO等は、皮膚に紅斑を起こす最小の紫外線量を、最小紅斑紫外線量(1MED)として定義しています。1MED以上の紫外線を頻繁に浴びる事によって、病的老化による老人性角化症や皮膚がんなどになる危険性が高まるとされています。

国立環境研究所・地球環境センターの試算では、1MEDに達する紫外線量は、ヒトが必要とするビタミンDを生成するためには、紫外線照射時間の約4~6倍の時間が必要となるという結果が算出されています。1MEDの範囲内で適度な日光浴を行って、十分な量のビタミンDを生成する事が、健康の維持には必要と考えられます。

日本という国は、東西だけでなく南北にも長い国土を持つことから、北海道と沖縄とでは太陽高度が異なり、紫外線量が著しく異なる事から、ビタミンDの生成に必要な日光照射時間が異なることが、国立環境研究所・地球環境センターなどの研究によって示されています。

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<図1>1日で必要とされるビタミンD生成に要する日光照射時間

ヒトの健康を保つためにビタミンDが生成されるためには、適度な紫外線照射が必要であることは明らかであり、過剰な紫外線予防対策は健康に外を及ぼす事になります。また、夏の屋外での活動は、わずかな時間で十分であることが明らかであります。そして、日本の国土が持つ特性から、緯度による違いが大きい、特に冬季では著しく違う事に注意しなくてはなりません。いずれにしても過ぎたるは及ばざるがごとし、TPOに合わせた行動を取る事が健康にとって、老化にとって大切な事であることが良くわかります。

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