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循環器機能の老化は心拍数の減少や動脈の弾性が失われることなどが見られます

循環器機能は、心臓と血管によって、全身に血液を循環させるシステムです。心臓は、血液を血管に送り出すポンプとして、休むこと無く収縮と拡張とを繰り返しています。心臓は、生を受けて一旦動き始めると、死を迎えるまで、絶対に休んだり止まったりすることはあり得ません。

心臓の変化では、加齢に伴う生理的老化では、心臓の重量の大きな変化は見られませんが、左右両心室の容積は低下する傾向が見られ、心房の容積は大きくなります。心臓を構成している心筋細胞が減少して行く一方で、心筋の間質には、リポフスチンやアミロイドなどの物質が沈着し、コラーゲンが増える事で繊維化が引き起こされます。

加齢に伴う病的老化によって、心臓の弁膜や弁輪部に石灰化や肥厚が起きることで、大動脈弁や僧帽弁などの血液の逆流を防ぐ弁に閉鎖不全症や狭窄症などの弁膜症が生じることがあります。心臓や血管組織の石灰化は、骨のカルシウムが血中に放出されて引き起こされる、加齢に伴う老化によって生じる骨量の低下が著しいほど強くなっています。

心臓機能は、心筋の収縮機能や安静時の心拍出量、左室駆出率の加齢に伴う変化は見られませんが、心拍数は加齢に伴って減少するために、一回拍出量は増加します。

心臓は、洞房結節で起こった電気信号が心房に伝わり、心房が収縮します。心房の収縮が、房室結節で電気信号を起こさせて、心室に伝わり、心室が収縮します。洞房結節が一定の間隔で電気信号を起こす事で、心臓は一定のリズムで動くことになります。

心臓を一定のリズムで動かす刺激伝達系は、加齢に伴う生理的老化によって繊維化して、細胞数は減少して行きます。さらに、病的老化に至ると房室ブロックや脚ブロック、シック・サイナス症候群が生じることになります。

血管の変化では、加齢に伴う生理的老化によって、動脈の平滑筋の間質にコラーゲンが増加することや、動脈壁の石灰化による肥厚、エラスチンが減少することで、動脈の弾性が失われると共に動脈の縦・横方向の拡大が生じます。

静脈では、加齢に伴う生理的老化の変化は、動脈ほどには生じませんが、下肢の静脈の弁機能が損なわれることで、静脈瘤が生じたり、下肢のむくみが起きやすくなったりすることがあります。

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