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加齢と老化との物差しの目盛りは異なったものと考えられます

≪加齢≫とは、「生後から時間経過とともに個体に起こる、よいことも悪いことも含めたすべての過程、現象を指す」と定義されています。≪老化≫とは、「成熟期以降、加齢ともに各臓器の機能あるいはそれらを統合する機能が低下し、個体の恒常性を維持することが不可能となり、ついには死に至る過程」(老年医学の基礎と臨床Ⅰ・株式会社 ワールドプランニング)と定義されています。

≪加齢≫は、ヒトが生まれた時が起点(ゼロポイント)となり、死に至るまでの長さの物差しで示される過程や現象と考えることが出来ます。≪加齢≫は、年、月、時間、等の単位で表すことが可能で、物差しの目盛りの幅は、時間と同じ長さで均等な幅の目盛りとなっていると考えられます。

≪老化≫は、ヒトの各臓器の機能あるいはそれらを統合する機能が、最高となった到達点(成熟点)が起点(ゼロポイント)となり、各機能が、消失するまでの長さを持つ、各機能ごとに用意される物差しで示される過程や現象と考えることが出来ます。≪加齢≫と同じように、年、月、時間、等の単位で表されますが、物差しの目盛りの幅は、加齢の物差しと異なり均等ではありません。

さらに、目盛りの幅は、各機能の老化が進行する速度が一定では無いために、幅のあるゴム紐に均等に目盛りが記されたものが、伸ばす力や縮む力が加わって、目盛りの幅を加齢の物差しと比べると、場所によって広かったり狭かったりしているものと考えられます。

≪加齢≫は、ヒトの誕生を起点(ゼロ)として、死に至るまでの、等間隔の目盛りを持つ物差しで示される考えられます。≪老化≫は、ヒトの各機能の成熟点を起点として、機能ごとの独自の目盛りを持つ物差しで示される考えられます。

≪加齢≫は、直線的なスケールで表されて容易に知ることが出来ます。≪老化≫は、各機能ごとにスケールを持ち、そのスケールを並べて≪老化≫の程度を知ろうとしても、残念ながら出来るものではありません。ヒトの機能は、包括的に働いており、≪老化≫も包括的に捉えることをしなくては、ヒトの老化を知ることは難しいと思われます。



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