介護職として働く職場にも、今ではICT(Infomation Communikation Techonology≒IT)の利活用がされていると思われます。ICTを利活用することで、情報の共有と業務の効率化を図ることが出来ると考えられます。
既に取り組まれている職場もあるかと思われますが、ICTの利活用を進めてゆくには、まず職場にある帳票類をLANやWANもしくは、グループウェアのサーバーにデータとして登録してしまうことから始めることが、情報の共有化と業務の効率化の第一歩となります。
帳票類のデータ化を行うには、今ではワープロソフトの標準となっているWordで行います。Excelで行われることが多い帳票のデータ化は、文書を作成するとなった場合のフレキシビリティやユーザビリティを考えると、ExcelではなくWordでの作成がお薦めです。
帳票類をデータ化して、Wordで文書を作成するようになれば、情報の共有化の第一段階は達成したと考えられます。こうなれば、帳票類の印刷は不要になり、書類棚や倉庫に大量の帳票類をストックしておく必要はありません。1枚だけプリントアウトをしておいて、プリンタやパソコンの故障時などで作業が困難な時の原紙として、クリアブックなどにファイリングすることで業務の効率化も果たせます。
帳票類のデータ化の次は、職員に必要と考えられる文書をデータにすることを行います。元々、データやメールで配布されたり、インターネット上からダウンロード出来る文書は、スキャンする事なく文書ディレクトリに入れることで、いつでも職員が必要な時に文書を見る事が出来るようになります。紙の文書は、必要に応じてスキャンすることになります。
文書のデータ化により、個人個人が持っていた文書が不要になります。会議を行ったり、回覧したりという作業も不要になります。速やかに情報が共有されるようになり、尚且つ文書が減るという、これもまた一石二鳥の情報共有化と業務の効率化を得る事が出来ます。
文書のデータ化の次は、職員の在席状況やスケジュールの管理をパソコンで行う事によって、情報の共有と業務の効率化を図ります。グループウェアの導入が可能であれば、在席、スケジュール管理だけでなく、報告や連絡事項もグループウェア上で行うようにすれば、会議や朝礼の時間の短縮が期待できます。
ここまで情報の共有化と業務の効率化が行われれば、他にもデータ化することで情報共有が容易に行えるものが見えてくると思われます。職場の状況に応じたデータ化を進めて行き、最後にはデータベースを作成して、利用者情報や記録などをデータとすることになります。
タブレットなどの情報端末を使う事で、リアルタイムで報連相を行ったり、必要な文書や情報を即座に得る事が可能となり、さらには記録も速やかに作成することが可能となります。グループウェアからさらに、地域包括ケアシステムでICTの利活用がされるようになれば、ケアチームの活動状況や利用者の情報などがリアルタイムで得られることになり、情報の共有化と業務の効率化が一層進む事が可能となります。
また、SDカードやUSBメモリの紛失、盗難などによる介護事故の防止にもつながる事が、ICTの利活用が進むことによって期待されます。