介護職として、初めての職場に配置されて仕事に就くときには、誰もが不安とストレスを感じるものだと思います。幸いなことに、不安やストレスを感じることが無かったら、それは幸せなことであるか、病気であるか、ストレス耐性が非常に強いタフな性格だということでしょう。
大きな職場でも、小さな職場でも同僚がいて、上司がいるという組織構造は、どこの職場でも変わらないと思われます。職場の様子を十分に認知して適応するまでには、時間がかかるだろうと思われますので、まず、直属の上司の人となりを知るために、コミュニケーションを行う事に努めることが必要だろうと思われます。
OJTによって、仕事を覚えて行くことになると思われますので、次に人となりを知っておく必要があるのは、OJTのトレーナーとなる職員のことになります。ひょっとしたら、この人との関係が介護職としての人生に大きな影響を持つ事になる場合がありますので、上司以上にコミュニケーションを図って、十分に職歴、生活歴、趣味、嗜好などを知る事で、トレーナーの介護職としての職能や知識、人脈などを見極めることが必要となります。
仕事が始まれば、毎日の業務に忙殺されることになると思われますが、その中で同僚の人となりや職場内の人間関係を知るために、コミュニケーションに努めることが必要となります。同僚の人とのコミュニケーションでは、不快な感情や誤解を与えない範囲で、傾聴と共感・受容の姿勢を示すことが望ましいと思われます。日常業務で利用者に対して、散々、傾聴と共感・受容の姿勢を示しているので、職場までもと思うのであれば、心身共に余裕がある時の実践をお薦めします。
職場の人達とのコミュニケーションを行う際にも、言語コミュニケーションだけでなく、非言語コミュニケーションに注目することが、利用者とのコミュニケーション以上に重要な職場内の人間関係を知る手立てとなります。
職場内の人間関係、相互関係を知る事が出来ましたら、職場のキーパーソンを知ることが、仕事をスムーズに行って行くにはとても大切なことになります。職場のキーパーソンが、「自分は、介護職として〇〇年やってきた」という自信家の方よりも、「誰にでも新人の時はある」というスタンスで接してくれる方のほうが好ましいと思われます。
職場でのコミュニケーションも、知らない相手の事を知る。知っている相手の知らない事を知るということに努めることが大切であると考えます。非言語コミュニケーションが職場内でどのように行われているかを知る事が、職場内の人間関係を良く知ることになり、より良い人間関係と仕事環境を作ることにつながると思います。